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» 2009年08月26日 07時45分 UPDATE

中国ビジネス最前線:外資より国有企業に関心 中国大学生の就職調査

中国の大学生を対象にした就職希望企業に関する調査によると、これまでの外資系企業志向から、国有企業へと関心が移っているという。

[内田総研グループ,ITmedia]

▽中国、個人の資産運用がブームに

 2009年7月末、中国株式市場での株取引口座の新規開設数が約70万口座に達し、A株取引用の口座が初めて1億3000万口座を突破した。現在の株式市場の盛況は資産運用ブームの反映の1つで、「資産で資産を生む」資産運用に向けた投資意欲が中国で拡大している。


個人の資産運用ブーム

 実際、都市部住民の平均可処分所得は1978年の343元(1元=約14円)から、2008年は1万6000元に増加した。2007年末現在、ファンド投資用口座は9000万口座を超え、ファンドを世帯の最も中心的な金融資産と考える人の割合が25.4%に達している。

 2008年に国内で発売された資産運用商品の総額は、貯蓄額全体の約10%に相当する約3兆元に上った。先物取引額は2000年の1兆6000万元から2008年は65億6900万元に増加、通年の固定資産投資は17兆元に達して前年比25.5%増加している。


構造の多元化が発展を促進

 1990年代に上海・深セン両証券取引所が開放され、豊かになった一部の人の資産効果が現実的な手本となり、より多くの人が資産運用を始めている。

 また1998年に国が住宅ローンを開放したことが要因となって、ローンやクレジット消費が増加し、人々の消費概念が質的な変化を遂げ、資産が資産を生むという考え方が定着するようになった。


個人投資家の投資方法

 発表された「個人投資家の生活形態研究報告」によると、26歳から35歳で、大学卒業以上の学歴を備えた個人投資家は、複数の投資商品を組み合わせて投資を行う割合が高いという。

 現在、中国の大衆の投資・資産運用は、選択肢がより豊富になり、よりシステム化された多元的な段階へと移行しつつある。中国の経済成長は個人の資産運用をも助長している。

▽中国、デジタル出版が新たな業態に

 国家新聞出版総署は、デジタル出版業界の今年の売上は750億元を上回り、初めて従来の図書出版業界の売り上げを超えるとの最新報告を発表した。

 現在、電子ブック用端末の価格は1000〜3000元以上するが、1万冊以上の本を保存できる。また、携帯電話で読める本は紙の本の4分の1から10分の1の価格で済む上に、「中国知識資源バンク」から1ページ2〜5角(1角=0.1元)でダウンロードできることから、デジタル出版は価格面でその優位性を発揮している。

 同署の柳斌傑・署長は「中国では現在、出版社の売り上げは年間600億元である一方、デジタル出版物の売り上げはすでに年間750億元に上り、しかも50〜80%の勢いで成長している」という。

 中国のデジタル複合出版事業は、すでに「第11次5カ年計画」(06〜10年)期間中の「文化発展計画綱要」の重大プロジェクトに組み込まれ、出版業界における新たな技術革命を実現するべく、デジタル化・ネットワーク化された生産・運営プラットフォームの研究が進められている。

▽大学生の就職、外資より国有企業へ

 「第7回 中国大学生最良雇用主調査報告」がこのほど発表された。今回の調査では、国有企業の順位の高まりが特徴となり、回答者の3分の1が国有企業を第一希望の就職先とした。

 2002年に調査が始まって以来、就職希望先のタイプとして国有企業が外資企業を超えたのは初めて。今回の調査では、「最良雇用主トップ50ランキング」「2009年新ランクイン企業リスト」「2009年進歩の速い企業リスト」が出された。

 加えて、金融、通信・電信、インターネット、エネルギー・電気・化工、耐久消費財、日用消費財、自動車、コンピューター(ソフトウェア)、コンピュータ(ハードウェア)、不動産、医薬の11産業のトップ10も選ばれた。ソフトウェアのトップはMicrosoft、ハードウェアのトップはLenovo、インターネットのトップはGoogle、日用消費財のトップはP&Gとなった。



※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。

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