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» 2012年07月25日 08時00分 UPDATE

海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点:企業の成長を活性化せよ (1/4)

ワクワクする立ち上げから次の段階へ移った時、ビジネスの成長という難しい課題に対処しその好機をものにしなければならない。

[エグゼクティブブックサマリー]
エグゼクティブブックサマリー

 この記事は、洋書配信サービス「エグゼクティブブックサマリー」から記事提供を受け、抜粋を掲載したものです。サービスを運営するストラテジィエレメントのコンサルタント、鬼塚俊宏氏が中心となり、独自の視点で解説します。

3分で分かる「企業の成長を活性化せよ」の要点

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  • 企業が立ち上がり走り始めたら、最大限の価値を得るため、成長を活性化させること
  • 成長期は起業家にとって能力が試される時期である。起業家は、起業することの興奮を生きがいにするが、創造、管理、成長の維持になると怖気づく傾向にある
  • マイナス思考や限定的な考え、そして意に沿わない言葉すら、企業の成功と可能性を制限してしまう
  • 顧客が必要とするものだけではなく、本当に求めているものを理解すること。それを知るには、聞くこと
  • ストーリーを伝え、価値を示し、革新し、他人を教育および刺激し、適切な顧客に尽くすことで、企業の「財産指数」を増やすこと
  • どの企業にも、詳細なビジネスプランが必要である。それが投資家向けでも、従業員向けでも、顧客向けでも関係ない
  • 企業の価値は、ビジネスの構造を支える必要不可欠な基盤である
  • 自社が最も得意とすることを明確にし、それを提供する方法を決め、顧客が自社と取引しやすいようにすること
  • ビジョンとは「感情をかき立てる、言葉で表現されたスナップショット」であり、企業の未来を描いたものである
  • 従業員に家族や友人と過ごす時間と個人的成長のための時間を与えること。そうすることで、従業員は成功を味わうことができる

この要約書から学べること

  • 立ち上げの興奮が冷めた後、企業の成長を活性化する方法
  • 企業の財産を築く方法
  • 自分の考え方によって企業の結果はどのように変わるか
  • ビジネスプランを成長のロードマップとして使う方法

本書の推薦コメント

 ワクワクする立ち上げ段階から次の段階へ移った企業の起業家は、ビジネスの成長という難しい課題に対処し、その好機をものにしなければなりません。組織戦略のコンサルタントであるリサ・ニレルは、この一時的な段階にいる企業のための戦略的プランニングモデルである「成長活性化」プログラムを、7年かけて立ち上げました。

 ニレルは、このプログラムを使って顧客の新規ビジネスを何百万ドルも拡大させた方法を説明しています。コンサルタントが本を書く時、その作業はとても微妙なものになります。本の中で自分の仕事で見つけた例を使って主義主張を説明する時、その本が長ったらしい宣伝にならないように自社を過剰宣伝することは避ける必要があるからです。

 しかし、ニレルはこの難しいバランスを取ることに成功しています。合理的でない推論がちりばめられていて、やや問題はありますが、最大限成長したいと望む中小企業の起業家あるいはCEOにニレルのマニュアルをお薦めします。特に、収益が拡大したら自分の会社を売るつもりでいる人はぜひ読んでみて下さい。

 一頃、アントレプレナー現象が社会的なムーブメントとなり、数多くの起業家が世に輩出されていきました。この大きな理由は、インターネットの出現によるものです。当然、多くの起業家は、インターネットを駆使することで収益を上げるという事業形態に情熱を傾けていきました。そしてそれは、利益率やスピードを圧倒的に、過去のそれを一新するほど驚異的なものでした。

 もっとも、この起業スタイルの主な特徴は自分の得意とする知識やノウハウをコンテンツとするいわば、ナレッジ起業や情報起業という起業形式に属するもので、初期投資額が低いなどの低リスクで起業できるという強みがあります。しかしながら、このような起業形式は、現在では、そのイメージだけが一人歩きをし、自称起業志望者には、まだまだ楽観視した可能性や期待感を持たせているのも事実です。半面、実際のところ、昨今の経済状況や社会情勢から分析した結果では、この起業体系の市場は既に溢れ返り、レッドオーシャンと化しているため、もはや極めて難しい状態にあると言っても過言ではないでしょう。

 つまり、真剣に起業を考えるならば、決しておすすめできる起業モデルではないということです。そして、起業の概念には、単に自分がしたいと思うことを志すという考え方と社会における存在意義をミッションとして掲げ事業で成功を収めたいという考え方があります。この場合、前者は「経営のプロ」である必要がありません。よって本心から起業を望み、経営のプロを志すのであれば、自分自身が、どのような目的で、主たる経営の舵取りに携わるという決断に至るまでを、何度も何度も注意深く熟考し答えを出すということが最も重要なことだと思います。

 世の中では、今もなお、起業に関するさまざまな過剰な宣伝情報は、後を絶たず、あいも変わらず起業の魅力的な一側面のみを謳い、学生からシニア雇用者の起業予備軍のハートを煽っているのが実情です。本書の中身は、起業家が本来、どうあるべきか、ひいては、経営者にとって大切なことについて紛れもなく網羅しています。本気で起業を考えている方にとって必ずや有益なものとなる本書は、その答えを出す前に是非、熟読してもらいたい一冊です。

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