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» 2015年08月20日 08時00分 UPDATE

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:「マネジメント・スタイル」が最強のチームをつくる (1/2)

理想とするチーム運営の姿を、「分かっているができない管理職」と「分かっていてできる管理職」がいる。この違いは、いったいどこにあるのか?

[櫻田毅,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


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「分かっているけどできないんだよ」という悩み

150820book.jpg 外資系エグゼクティブの逆転思考マネジメント

 部下ひとり一人の自主性を尊重しながらも、チームワークを大切にして、組織が一丸となって求められる成果を出す――

 このような考え方は、チームを率いる管理職にとってはおおむね異存のないものでしょう。ところが、これまで研修で関わってきた多くの管理職が、「分かっているけど、それができないから困っているんだよ」といった悩みを口にします。真面目にマネジメントに取り組んでいる方々です。一方で、そのようなチームづくりに成功して、成果を出し続けている優れた管理職がいることも事実です。

 では、両者の違いはどこにあるのでしょうか?

 日系、外資系で30年以上にわたって、さまざまな人と仕事をしてきた経験を踏まえて考えると、その理由の1つに、チーム運営の軸となる、「マネジメント・スタイル」の有無があげられます。

できる人が持っている「マネジメント・スタイル」

 「マネジメント・スタイル」とは、外資系ではよく使われる言葉で、チーム運営や部下との関わりにおける「軸となる姿勢」のことです。

 チーム運営にあたっては、コミュニケーション・スキルや交渉力、企画提案力や判断力などの「マネジメント・スキル」に目が行きがちです。もちろん、一定水準のスキルがなければ、管理職としての役割を果たすことはできません。しかし、冒頭の言葉のような活力のあるチームをつくり、厳しい環境下で成果を出している管理職の多くは、確固たる自分の「マネジメント・スタイル」を持っています。

 いくつかの例を紹介しましょう。

 外資系企業で長年にわたって管理部門を束ねてきた実績のあるGさんは、自分のマネジメント・スタイルを「ノー・サプライズ・ルール」だと表現しています。

 部下には言いにくいことほど普段から伝えておくことが大事である。リアルタイムのフィードバックによって部下の成長を促すとともに、自分の観察と部下の自己評価との間にギャップが生じないようにするためである。

 特に業績評価に関しては、決してネガティブ・サプライズを起こしてはならない。普段は「よくやっているね」などと言っていたにもかかわらず、面談時に突然マイナス点を指摘したりすると、その瞬間に信頼関係は崩れてしまう。

 プラスもマイナスも普段から伝えてサプライズを起こさないことで、部下との信頼関係が築かれ、目標に向かって力を合わせるチームができていくとのGさんの信念です。

「マネジメント・スタイル」は、具体的な行動のイメージを促す

 同じく、外資系で管理職経験の長いSさんのマネジメント・スタイルは「Yes/Noルール」です。部下が業務上の指示を仰ぎにくるとき、必ずYesかNoかで回答できるような形で話を持ってくることを約束してもらうのです。

 「この件はどのように進めたらよいでしょうか?」はYes/Noで回答できないためダメ。「この件は、このように進めたいと思いますがよろしいでしょうか?」。これは、Yes/Noで回答できるのでOK。つまり、手ぶらで上司の判断を仰ぎにくるのではなく、まず自分で考えたことを上司にぶつけてみるという「考える姿勢」を浸透させたいとのこと。

 単に、「自分で考えることが大事だ」と抽象的な言葉で言うよりも、ルールとして明示することで、部下の頭の中に具体的な行動のイメージができ、比較的短期間で、まず自分で考えるといった習慣が定着する。

 さらに、よほどのことがなければ、「Yes、それでやってみよう」と回答し、部下の考えを受け入れること。これで部下は認められた喜びを感じ、ますます自分で考えるようになるとのことです。

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