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» 2016年11月21日 07時21分 UPDATE

ビジネスパーソンのための建設と建築:ゼネコン、サブコン、CM 東京五輪前に押さえておきたい「建設の常識」 (1/2)

建設と建築の違いは? 知っているようで知らない基礎知識を解説。

[木村讓二,ITmedia]

 東京五輪の新国立競技場や、築地から豊洲への市場移転など、建設・建築に関するニュースは日常的に耳にします。特に最近は、東京五輪に向けたインフラ整備やビルなどの建て直しが進み、建設ラッシュの兆しも見られます。

 このようなニュースは、視聴者としても国民の1人としても気になるところです。一方で、建設・建築については「知っているようで知らないこと」も多いのではないでしょうか。例えば「建設と建築の違いは?」と聞かれ、答えに困ってしまう人もいると思います。

建設と建築は何が違う?

 建設・建築について多少の基礎知識を持っておくと、ニュースや社会の変化がより深く読み解けるようになります。自社工場を新設したり、不動産関連のプロジェクトに携わる可能性がある人なら、仕事に役立つこともあります。

 そこで今回は、ビジネスパーソンに役立つ「建設の常識」について解説します。

 ちなみに、冒頭で聞いた建設と建築の違いについてですが、建設(construction)は、主に土木の知識をベースとして、建物、橋、トンネル、道路などを造ること、一方の建築(architecture)は家やビルなど建物を造ることを指します。

 それぞれの言葉が表す領域は、建設の方が大きく、そのくくりの中に建築がありますので、例えばリニア新幹線の工事なら、トンネル工事は建設、駅舎の工事は建設ともいいますし建築ともいいます。

 また、建築はベースとなる知識の1つにデザインが含まれるため、建築家や建築物が芸術面から評価されることがある点も建設との違いです。

工事に関わる登場人物

 建設・建築について知るために、まずは建物などの工事に関わる登場人物を押さえておきましょう。主な登場人物は4人います。発注者、設計者、ゼネコン、サブコンです。(実は5人目もいるのですが、そのことは後で触れます)

 発注者は、工場の新設を計画している企業や、公共施設の新設を計画している国や自治体など。工事を依頼し、費用を払う人です。設計者は、発注者から依頼を受けて、要望や希望を図面化する人です。ゼネコンは、general contractorの略称で、日本語では総合建設会社という意味。設計者が作った図面通りに建築物を造る役割を持ち、工程、品質、原価、安全などを総合的に管理します。

 サブコンは聞きなれない言葉かもしれませんが、subcontractorの略称。ゼネコンから依頼を受けて、土木や建築工事の一部を担います。例えば、電気工事、塗装、配管などを専門的に工事し、ゼネコンとの関係では元請けと下請けという構図になっています。

 ところで、建設・建築関連のニュースなどで、大手ゼネコンやスーパーゼネコンという言葉を耳にしたことがあるかもしれません。これは、竹中工務店、清水建設、鹿島建設、大成建設、大林組の5つを指す言葉です。これら5社は売上1兆円規模のゼネコンで、6位以下との差が非常に大きいのが特徴。実績や技術力に強みがあるため、東京スカイツリーや霞ヶ関ビルなどランドマークとなる大きな建築物のほとんどはスーパーゼネコンが造っています。

 これら5社を含む規模が大きいゼネコンは、自社で設計部門を持っていることが多く、工場やマンションなどを造る発注者は、設計者に依頼する方法と、設計も含めてゼネコンに依頼する方法を選ぶことができます。

 また、特定分野に強みを持つゼネコンもあります。例えば、トンネル工事に強い、ダム建設に強いといった強みを持つ会社で、埋め立て工事に強いマリコン(marine constructor)もその1つ。売上規模はスーパーゼネコンの半分以下ですが、海洋土木に必要な運搬船などを持ち、その分野で専門性を発揮しています。

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