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» 2017年12月14日 07時14分 公開

ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術:若手社員には「学ぶ技術」と「働く技術」を学ばせよう (1/2)

「人生100年時代」これからの若手世代にとっては、1つの仕事や技術だけを軸に、自分の生涯にわたるキャリアを描き切ることは難しくなる。

[前川孝雄,ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」バックナンバーへ。


人生100年時代 「学ぶ」と「働く」の相互作用が求められる

『5人のプロに聞いた! 一生モノの 学ぶ技術・働く技術』

 最近話題のビジネス書の一つに、英国ロンドン ビジネススクールのL.グラットン教授などによる『ライフシフト〜100年時代の人生戦略』(東洋経済新報社、2016年)があります。L.グラットン教授は日本政府肝いりの人生100年時代構想会議に招かれるほどです。

 同書では、日本の平均寿命の延びは国際的にも著しく、統計的に見ると今の20歳代は「人生100年時代」に突入し、70〜80歳代までの50〜60年間近く働くことが普通になると予測されています。従って、これからの若手世代にとっては、大学などで学んだ専攻を土台に1つの仕事、技術だけを軸に、自分の生涯にわたるキャリアを描き切ることは難しくなります。これからの時代、「学ぶこと」と「働くこと」を相互作用させながら、絶えず自らを磨いていくことが不可欠になるのです。

 しかし、この学ぶ技術や働く技術を体系的に教わる機会は、学校教育でも企業内教育でもほぼありません。そこで、今回、私の通算24冊目の著書として出版したのが『5人のプロに聞いた! 一生モノの学ぶ技術・働く技術』(有斐閣、2017年)です。

 本書は、若手の育成に関して問題意識が合致した労働経済学の権威である中央大学経済学部の阿部正浩教授と、企業内人材育成に長らく携わる私が共同で編集しました。各界のリーダーに2人がインタビューや対談を行い、その内容を基に、阿部教授が学生への示唆を、私が社会人への示唆を考察しストーリー立ててまとめるという、これまでにない若手向けの実践的な学習書となっています。

6つの「学ぶ技術」と「働く技術」

 それでは、同書で示した6つの「技術」について、特に若手社員向けの視点から、ポイントを簡単に紹介しましょう(以下のカッコ内は、インタビュイーもしくは対談者)。

(1)自分を知ってもらう技術(コバ代表取締役社長 小林靖弘氏)

 自己紹介の技術。お互いの緊張を理解し、距離を縮めることを心掛けながら、「自分らしさ」を伝えることが大事。それには、自分の過去、現在、未来への思いを3点セットで話し、人柄を伝えるのもよい。ただし、自慢話や人の批判や批評は避けること。あらかじめ相手について調べておき、相手の関心と接点のある話題を紹介することで、その後のコミュニケーションを深めていけるとよい。

(2)相手を知る技術(ノンフィクション作家 山根一眞氏)

 インタビューなどで相手の話を聞き、引き出す技術。事前に相手について十分に調べ、「もし自分が相手なら」と想像し、相手のニーズや本音について仮説を立てて臨むことが大事。「ギブ&テイク」「相手のお役に立ちたい」という姿勢で、情報をもらうだけでなく、相手のためになる情報を提供すること。相手にも「良かった」と思われ、相互に関心を持ち合えるインタビューが理想。

(3)記録する技術(フリーライター 太田あや氏)

 記録を取るのは未来の自分のためであり、未来にとってどの情報が必要で、それをどう書けば伝わるか、「未来の自分に気を遣って」ノートやメモを取ることが大切。目的意識を持ってノートを書き、「役立つ書き方」を試行錯誤する過程は、自分の勉強方法を見つけるだけでなく、自分がどういう人間か向き合うこと。「自分を律する力」や「逆算力」がつき、将来の生きる力になる。

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