選択肢と革新で差別化、「Fusion Applications」は2008年出荷を約束Oracle OpenWorld 2007 San Francisco Report(2/2 ページ)

» 2007年11月15日 01時00分 公開
[浅井英二,ITmedia]
前のページへ 1|2       

Web2.0でイノベーション

 Oracleは、コンシューマーで急速に浸透しているソーシャルネットワークの機能の取り込みにも貪欲だ。同社は、既存アプリケーションのライフタイムサポートを約束するが、次世代のFusion Applicationsにはイノベーションを盛り込み、移行を促そうと努める。

 「セールスの現場においては、会社のオフィシャルな組織が活動するだけでなく、同僚、パートナー、そして顧客からなるさまざまなコミュニティーが作用する。しかし、これらの社会的な側面は、システム化しにくいし、電子メールも効率が悪い」とアポ氏。

 ステージでは、顧客に自社の製品やサービスを説明する優れたプレゼンテーション資料を組織に関係なく、より効率的に探すことができるアイデアが紹介された。タグ付けされたプレゼンテーション資料の中から、素早く関連するものを検索し、利用者によるレイティングも参考にできる仕掛けだ。

 また、Googleのガジェットを活用して、企業の情報にアクセスするのも分かりやすい例だろう。

ソーシャルタグで素早くプレゼンテーション資料を探し、レイティングも参考にできる
多くのベンダーと同様、ガジェットの活用をOracleも模索する

2008年出荷に向けFusion Applicationsをデモ

 基調講演では、次世代のFusion Applicationsの特徴のひとつとして、業務に組み込まれたビジネスインテリジェンス機能もデモされた。

 この組み込み型のビジネスインテリジェンスは、ダッシュボードのような過去のデータを分析するものではない。業務のある局面において、脈絡ある形でナビゲーションしてくれ、より良い意思決定を促してくれる機能だ。画面の左右に業務に関連するマニュアルが表示されたり、その業務に関する専門家の在席情報が現れ、必要に応じてインスタントメッセージングで指示を仰ぐこともできる。

 これまでFusion Applicationsの開発を指揮してきたジョン・ウーキー氏が同社を去ったことで、開発の遅れを懸念する声がある。しかし、アボ氏の上司でOracle製品全体の開発を統括するチャック・ロズワット執行副社長は、プレスやアナリストとのQ&Aセッションで、「ジョンは去ったが、計画に何ら変更はない。2008年にFusion Applicationsの最初の製品をリリースする」と明言した。

関連キーワード

Oracle(オラクル) | Web2.0 | 買収


前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆