米国時間11月13日、「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は2日目を迎え、午後の基調講演では、「選択肢」と「イノベーション」を基軸とするOracleのアプリケーション戦略が語られた。
「プログラムの名称は、Applications Unlimitedではなく、“Innovation Unlimited”に変えた方がいいかもしれない」── ジョン・ウーキー氏の後任として、Oracleでアプリケーションの開発を統括する責任者に就任したエド・アボ上級副社長は、2日目の基調講演で顧客らにそう話した。
米国時間11月13日、カリフォルニア州サンフランシスコで開催されている「Oracle OpenWorld San Francisco 2007」は2日目を迎え、午後の基調講演では、「選択肢」と「イノベーション」を基軸とするOracleのアプリケーション戦略が語られた。
2004年暮れに決着を見たPoepleSoftの買収以来、Oracleはアプリケーションベンダーを中心に30社以上を獲得、傘下に収めてきた。当時、すべての製品をサポートし続けることは、とても考えられず、実際、Oracleは2008年にリリースを計画している次世代の「Oracle Fusion Applications」への移行を前提として統合戦略を進めた。
しかし、既存のアプリケーションに投資を行ってきた顧客、特にPeopleSoftやJD Edwardsのユーザーらは、激しい攻防の末の買収だっただけに、不安に駆られたに違いない。
同社は顧客の声に促され、いったんは「2013年」とした既存アプリケーションのサポート期限を撤廃し、それ以降も開発とサポートを継続していく「Applications Unlimited」プログラムを2006年4月に発表した。
しかも、今回のOracle OpenWorldでバージョンアップされた、SOA(システム指向アーキテクチャー)ベースの「Oracle Application Integration Architecture」(AIA)によって、Oracleのさまざまなアプリケーションスタックから「最良の」機能を選択し、結び付けることも可能としてくれる。
大企業ともなれば、既存システムは何千にも及び、アプリケーション間の接続は極めて複雑になる。ビジネスプロセスを変革しようにも、できれば避けて通りたいとIT部門は考えるはずだ。
OracleのAIAは、さまざまな既存アプリケーションの上にプロセスレイヤをかぶせてやることで、その下のアプリケーションには手を加えず、「プリパッケージされた」相互連携を実現、迅速なビジネスプロセスの改善を可能とする。それは1つひとつのアプリケーションを接続するのではなく、業界ごとに定義された共通プロセスや共通サービスを媒介として連携するため、複雑さを排除できるだけでなく、サードパーティーのアプリケーションや自社開発のアプリケーションも統合しやすい。
それはちょうど、異なる言語を話すアプリケーションのあいだでコミュニケーションを助けてくれる通訳のようなものだ。1つの共通言語を介して話をすれば、複数言語間でも比較的容易に会話が成り立つのと同じだ。
「顧客はビジネスニーズに応じて、必要と判断したときにアップグレードすればいい。われわれは選択肢を提供する。決してFusion Applicationsへの移行を強制することはない」とアボ氏。
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明治学院大学 経済学部准教授