具体的には、標準ベースのSOA(サービス指向アーキテクチャー)基盤で構築され、アプリケーションの統合が容易なほか、現在、「Oracle Application Integration Architecture」(AIA)の下で、Oracleの複数のアプリケーションにまたがるビジネスプロセスがあらかじめ構築された「Process Integration Packs」が幾つか提供されているが、当然ながらFusion Applicationsでもこれが提供される。
また、エド・アボ上級副社長の基調講演でもデモされた、業務に組み込まれたビジネスインテリジェンス機能もFusion Applicationsが満たすべき条件だとした。
エリソン氏が「最初のFusion Applications」として2008年上半期に出荷を約束したのが、3つのモジュールから構成される「Fusion SFA Applications」だ。
SiebelやSalesforce.comのような第1世代のSFAが、案件を管理し、販売を予測するものであるのに対して、次世代のFusion SFA Applicationsは、顧客データを分析し、見込み顧客に対してどのような提案を行えば、契約を獲得できるかの洞察を与えてくれるものだとした。
「Fusion SFA Applicationsは、営業マン向けのビジネスインテリジェンス、つまり、科学的に販売増を実現する仕組みを提供する」とエリソン氏。
もちろん、既存アプリケーションを置き換えるものではなく、例えば、Fusion SFA Applicationsのひとつである「Sales Prospector」は、ERPと連携して顧客の購入履歴を参照するし、Sieble CRMの案件管理機能とも連携しながら見込み顧客に対して効果的な提案が行えるようにする。
また、販売施策を分析する「Sales References」は、ERPの顧客データを参照したり、CRMのキャンペーン管理と連携する。
Web2.0技術の取り込みも、Fusion Applicationsの重要な特徴となっている。「Sales Tools」は、タグ付けやレイティングによって、顧客に自社の製品やサービスを説明するための優れたプレゼンテーション資料を組織に関係なく、より効率的に探すことができる。
恒例となった参加者からのQ&Aでは、Oracleは向こう10年から15年をかけて、すべてのアプリケーションを書き換えていくとした。
「15年前の技術ではダメだ。今やインターネットが浸透し、SOAやXMLといった標準技術も定着している。新しい技術が蓄積されれば、それを活用して書き換えていくべきだ。2025年には今とは全く違うアプリケーションに進化しているだろう。もちろんわたしはここにはいないがね」(エリソン氏)
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明治学院大学 経済学部准教授