また、自社の今後の事業への取り組みについて、新たなキーワードを掲げて説くメッセージもあった。
「近年、IBMでは、各国が強みを持つ経営資源を世界規模で最適化することによって、世界中のお客さまの多様なご要望に迅速かつ的確にお応えできるようにする“GIE(Globally Integrated Enterprise=グローバルに統合された企業)”への変革を加速している。今年は、このGIEとしてのIBMのグローバルな価値を日本のお客様にお届けし、お客様にとって価値あるイノベーションの実現と企業価値の向上に一層貢献していきたい」(日本IBM 大歳社長)
「厳しい競争にさらされている多くの企業にとって、今求められているのは、経営にとって役に立つ、ビジネスに貢献できるテクノロジーだ。従来のITは、ビジネスに貢献できる経営のための“B.T.(Business Technology)”へと変化していく。HPはこのB.T.の時代において、幅広い製品力と最先端の技術力、そしてそれらを駆使したソリューションを、お客様にとって最適な形で提供することで、お客様のビジネスを加速させるお手伝いができるよう、今年も精進していきたい」(日本ヒューレット・パッカード 小出伸一社長)
大歳社長が語る「GIE」、小出社長が語る「B.T.」ともチェックしておきたいキーワードである。
最後に、今年のITベンダートップの年頭挨拶の中で、筆者が最も印象に残ったメッセージを紹介しておきたい。筆者自身、「インターネット」の捉え方を再認識させられた。ぜひご一読いただきたい。
「電話網が交換機からIPに変わるというインフラの移行は、予想されていたとはいえ、情報通信の概念を変え、無限の可能性が広がっている。可能性が大きすぎて、その形を想定し難いところに、あらゆる局面でさまざまな戸惑いを生んでいる。情報と通信の融合とか、通信と放送の融合という言葉が流布しているが、それは正しい表現ではなく、インターネットというソフトウェアそのものが通信であり、インターネットという網に電波を前提としていた放送のコンテンツの配信を乗せかえる事ができるということだ。インターネットは、固定電話、携帯電話、放送といった、コンテンツ・網・インフラが一体となった従来の垂直統合の事業モデルを破壊する新たなネットワークである」(インターネットイニシアティブ 鈴木幸一社長)
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授