2つ目の特徴は、ランキングベスト10の中に「顧客」というキーワードの入った項目が3つもあることです。この傾向は昨年、おととしにはありませんでした。経営者は、競争優位を確立するためには、顧客に選ばれる企業にならなくてはならない。少なくとも競合他社を選ぶのではなく、自社を選んでもらえないと競争優位を確立することはできないと考え、そのような競争力(これを、エンタープライズ・ケーパビリティと呼びます)を創造する任務をCIOに期待しているのです。
表1のランキングが裏付けています。特にグローバル企業には、経営トップ自身が自社の方向性(ビジョン)を明確に打ち出す文化があります。CEOがCIOを含む上級エグゼクティブに期待の程を明確に語るのです。
実際にCOOやCFO、CIOの立場でも「わたしのゴール(目標)」が明確になっていないと辛いと思います。CxOクラスは、必ずしも生え抜きでそのポジションを獲得したわけではなく、決められた時間内に所定の結果を出さなければ、即刻解雇されることも覚悟しなくてはなりません。
ポジションを与えてくれた人(通常は上司)に「わたしは何時までに何をすることが課されますか?」「あなたから、わたしに対する期待は何でしょうか?」と明確にたずねるわけです。日本にはあまりない文化だと思います。
「○○君、あしたからCIOを務めてくれないか」と言われたら何と答えますか?
「ありがとうございます。精一杯頑張ります」と返答するのではないでしょうか。何に一生懸命頑張るのか、分からないですよね。残念ですが、これが多くの企業の実情だと考えられます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授