先行き不透明な材料がかなり多く、消費者の景況感はさえない。ガソリンや食料品など生活必需品の上昇がマインド悪化の主因だ。消費の実体の数字は1〜3月期まではそれなりにしっかりしていたが、足もと少し陰りがみられる。やがて実体が一段と悪化するとみる見方が多いようだが、年配者の旅行・レジャーが好調なことなど消費の底堅さの原因をしっかり見極める必要があるように思える。
なお、日銀の3月時点の調査によると、消費者の1年後の物価見通しの平均は7・6%上昇という高いもので、エコノミストの平均的見通しを6%超も上回っている。実質購買力に関して過度に悲観的な見方になっていると言える
景気と関係の深い身近な統計では、明確な方向性が出てこない。東京の桜の開花に関しては、3月21日までに開花すれば、景気は拡張であるというジンクスがあるものの、今年の開花日は3月22日だった。22日は、過去に景気が回復・後退両方ともあり、微妙な日にちだ。
また、スギ花粉の飛散量は、あまりに多いと外出を控えるので景気にマイナス、少し多いと医薬品代増加で景気にプラスとなる。しかし今春は過去24年間で5番目に多いが、関連商品の売上げや外出など、消費にとって好材料か悪材料か、判断つきかねる中途半端な量だった
関東甲信地方の梅雨入りは6月2日と平年より6日早かった。過去57年間で関東甲信地方が梅雨の時期に景気が拡張局面にある確率は65%だ。平年より梅雨入りが早く梅雨明けも早い年は63%と平均的だが、平年より梅雨入りが早く梅雨明けが遅い年は45%で後退局面の確率の方が大きい。関東甲信地方の梅雨明けは平年では7月20日。今年は景気面からも梅雨明けがいつになるか要注目だ。
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