中国が経営者の育成に本腰を入れる。独自のMBA認証制度を立ち上げることでMBA教育を展開できるビジネススクールを増やす意向だ。
全国MBA教育指導委員会の趙純均副主任は11月4日、中国で独自のMBA認証制度を設け、1、2校のビジネススクールを中心に迅速に準備を進める方針を明らかにした。
現在、国際的なMBAの認証には、Association of MBA(AMBA)認証のほか、欧州経営開発協会(EFMD)のEQUIS認証、米AACSB認証があるが、中国で現在これらの認証を受けているのは、中欧国際工商学院と清華大学経済管理学院、上海交通大学安泰経済管理学院の3校だけである。中国内のビジネススクールは国際認証を受けることで、MBA教育に対する国際的な認可を得られる。
全国MBA教育指導委員会は早くから独自の認証制度の設ける準備を進めており、すでに必要な資料を関連のビジネススクールに送り、意見を求めている。中国独自の認証制度ができれば、今後国際的な認証機関との協力が深まり、相互承認も可能になる。
上海市の韓正市長は11月2日の会見で、2010年の上海万博に向け、大気や水質汚染の改善に約100億ドルを投資すると発表した。世界的な金融危機の影響については「上海経済への影響は避けられない。景気減速の傾向が出ている」と説明。今後、新たなインフラ投資や低中所得者向け住宅の計画を打ち出す考えも示した。
100億ドルの環境改善投資は2009〜2011年の3年間で実施されるが、関連機器の需要で日系など外資系企業に商機が生まれるとみられている。上海市は民間企業への環境規制も強化する。環境汚染が激しい工場を対象に2008〜2009年で合計1200の生産ラインを閉鎖するとしている。
上海市の2008年1〜9月期の域内総生産(GDP)成長率は10.1%で、韓市長は「9月までは安定した発展を維持した」としながらも「上海は既に世界市場の一部であり、金融危機の影響は不可避だ」と説明している。
上海市では外需減退で市内の輸出型企業の一部に影響が出始めており、今後の世界経済の動向が重要視されている。
中国銀行国際金融研究所によると、中国の不動産市場は下落の方向に向かっており、2010年までに全国の不動産価格は平均して10%、最大で30%下落すると予測している。
2010年からは上昇の周期に入るという。長期的に見ると中国はまだ都市化率が上昇するため、中国の不動産市場は発展の可能性が潜んでいる。しかし短期的には、世界経済や中国経済の成長の鈍化、不動産市場の調整により、住宅ローンを返済できない人の割合が増える可能性もある。
経済成長の鈍化により、銀行の貸し付けも縮小し始めている。規模が小さく資本金不足の不動産会社は資金調達や返済が難しくなり、銀行の不良債権の増加を招く恐れも指摘されている。
なお、中国の商業銀行が不動産会社に貸し付けている金額は、貸し付け総額の20%を占めており、中には40%を超える支店もあるという。
※この記事は内田総研グループ発行のメールマガジン『士業・net』の一部を加筆・修正し、許可を得て転載しています。
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