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» 2008年11月21日 07時30分 公開

景気探検:大リーグ優勝チームが不景気をもたらす? (2/2)

[景気探検家・宅森昭吉,ITmedia]
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ポールソン財務長官の誤算

 経済指標は毎月の季節性を除去するために季節調整を行い、季節調整値を求め前月比を計算したりする。季節調整値を出すために、12カ月移動平均などの手法を駆使して、原数値を割る際に使う除数である季節指数を求める。季節指数はゴルフでいうハンデのようなものだ。米国商務省センサス局が開発した「センサス局法X―11」という方法でニューヨーク・ダウの季節指数を求めると、不思議なことに9月と10月は毎年1ポイントを下回る。つまり、毎年この時期は季節的に株価が売られやすいことが分かる。

 リーマン・ショックが、今回の金融市場の混乱の引き金となった感が強いが、1年のうちで9、10月が株価の下がりやすい時期であることを考慮し、ポールソン財務長官らがもう少し慎重な対応をしてくれていたならばと悔やまれる。

フィリーズが優勝する年は不景気?

 最近の身近な社会現象は足元の景気の厳しさを示唆している。例えば米大リーグでは、大都市ニューヨークを本拠地とする人気球団ヤンキースの活躍とファンの個人消費増加などを通じて米国の成長率をサポートしてきた。しかし今年は14シーズンぶりにプレーオフ進出を逃した。

 今年のフィリーズ対レイズのワールドシリーズは、テレビ平均視聴率が1桁台と厳しいものだった。ワールドチャンピオンになったフィリーズは、1980年以来28年ぶりの快挙だ。今年は景気は厳しいが、前回優勝時も第2次石油危機の影響で景気は厳しく、実質経済成長率はマイナス0.2%だった。

 日本のプロ野球では、日本シリーズの組み合わせがセ・リーグ人気1位の巨人対パ・リーグ人気5位の西武となった。対戦カードの人気ランキング順位の合計が2〜5だと景気拡張局面というジンクスがある。今年は順位の合計が6なので景気後退局面でもおかしくない状況だ。


プロフィール

宅森昭吉(たくもり あきよし)

「景気ウォッチャー調査研究会」委員。過去に「動向把握早期化委員会」委員、「景気動向指数の改善に関する調査研究会」委員などを歴任。著書は「ジンクスで読む日本経済」(東洋経済新報社)など。


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