アビームコンサルティングは、世界に複数の拠点を持つ日本企業向けに、資金を一元管理するためのサービスを提供すると発表した。
アビームコンサルティングは9月25日、世界に複数の拠点を持つ日本企業向けに、資金を一元管理するためのサービスを提供すると発表した。導入企業は、例えば、余剰資金を持つ海外拠点があるのに別の拠点では資金を借り入れていることによる不効率を改善し、財務リスクの低減も図れる。グループ連結ベースで有利子負債の削減、支払利息の削減などの効果が見込めるとしている。
提供するのは「アビーム・グローバル・キャッシュ・マネジメント・ソリューションパック(ABeam GCM Solution Pack)」。コンサルティングとシステム構築および導入支援を組み合わせて提供する。
システムとして中心になるのが「アビーム・グローバル・キャッシュ・プランニング・システム(ABeam GCPS)」と呼ぶアプリケーションだ。ABeam GCPSは、独自の国内CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)の基盤と、Excelテンプレートで構成される。Excelに慣れたユーザーになじみやすいのが特徴。
アビームは、インターネットデータセンターを利用したSaaS(サービスとしてのソフトウェア)型サービスとして提供する。銀行接続は、GXSのソリューション「マルチバンク型銀行接続サービス」と自動連携し、銀行との直接接続、SWIFTを通した接続の両方に対応する。
アビームは試算として、売り上げが5000億円規模、海外売り上げ比率が60%程度の企業が導入すると、年間で10億円程度のコスト効果が得られるとしている。
今後1年間で10社、3年で30社の導入を目指す。入口として「クイック診断」サービスを提供する。価格は約300万円から。
ここにきて、日本企業の海外売上比率が上がり、内部統制、グループ連結経営への要請も高まっており、財務リスクの管理が求められている。日系グローバル企業の多くは、国内CMS(キャッシュ・マネジメント・システム)を導入しているものの、海外においては地域ごとの資金管理にとどまり、グローバル連結ベースでの資金状況のモニタリングや、地域間での効率的な資金融通などの取り組みは進んでいないのが実情としている。
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早稲田大学商学学術院教授
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明治学院大学 経済学部准教授