ニュース
» 2009年10月28日 07時45分 公開

周回遅れの世代格差、「企業はもっとネット世代に学ぶべきだ」とタプスコット氏【前編】Teradata PARTNERS 2009 Report(2/2 ページ)

[栗原潔,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 ネット世代とは、物心ついた時からデジタルテクノロジーが身の回りに存在し、それを空気のように呼吸して成長してきた世代のことだ。具体的な年齢としてはおよそ30歳以下に相当する。今では「デジタルネイティブ」という言葉の方がなじみがあるかもしれない。

 米国におけるネット世代は、ベビーブーム世代の子どもに相当する世代であり、人口構成的に大きな割合を占めている。故に、ネット世代の考え方や行動が社会やビジネスに与える影響は大きく、今後ますます加速していく。

 一方、日本においては周知の通り、少子高齢化によりネット世代の全人口に占める割合は諸外国と比較してはるかに小さいため、その影響力は小さくなる可能性がある。これは日本経済の将来にとって重大な問題になるかもしれない。「(日本の)移民を受け入れない政策などが原因」と講演でも指摘したタプスコット氏の言葉には苦笑するしかない。

理解不足からしばしば批判的になる年長世代

 それはさておき、この世代に対して「ものを知らない」「社交スキルがない」「怠惰で努力をしようとしない」「暴力的」などの批判をよく耳にするが、タプスコット氏はこうした批判に真っ向から反論する。

 実際、データに基づいて分析すると、ネット世代に対する批判は的外れであることが分かる。知能指数は増大しているし、ボランティア活動に参加する若者の数も増えている、と具体的な数字を挙げながらタプスコット氏は話した。

 また、先ごろの米大統領選において、ネット世代の若者たちがFacebookやTwitterをはじめとするソーシャルメディアを活用した選挙活動を積極的に行ったことがよく知られている。タプスコット氏は、年長の世代によるネット世代への批判(あるいは恐怖感)はネット世代をよく理解していないことから生まれるものだと指摘する。ネット世代を冷静に理解し、彼らから学ぶべきというのが同氏の根本的主張だ。

 これはある意味当然のことだ。ネット世代は世界に極めて大きな影響を与えている情報技術について、親の世代よりも深く理解しているからだ。このような現象をタプスコット氏は、ジェネレーションギャップならぬジェネレーション“ラップ”と呼んでいる。周回遅れの親の世代をネット世代が追い抜いているような状況だからだ。

 後編では、年長世代がネット世代に学び、企業が将来、人事やマーケティングの分野でどのように取り組んでいくべきかについて、タプスコット氏の提言を紹介する。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆