ここで、フィトケミカルが持つ効能について詳しく紹介します。
抗酸化力は、人間が健康を保つために必要なもので、免疫力と密接に関係しています。わたしたちの体を酸化させる犯人は活性酸素であり、細胞は酸化すると免疫力が低下します。がんを引き起こすのもこの活性酸素が関係しています。
わたしたちの周辺には細菌が何十億個も存在しており、常に細菌と触れ合っています。それでも健康でいられるのは、侵入した細菌から体を守る働きをするマクロファージがあるからです。
この2つの特徴によって免疫力が高まりますが、具体的には次の5つの効果が知られています。
1.血液をサラサラにする
血管の老化を防ぎ、血液の流れを良くします。血流が良くなることで、体温が上昇し、免疫細胞が活性化されます。
2.ストレスを取り除く
あらゆる病気にはストレスが関係しています。興奮し過ぎても、落ち込み過ぎてもいけません。この感情の起伏を一定の方向に調節する働きがあります。
3.肌にハリを持たせる
植物由来の化粧品は化学合成されたものよりも断然効果が違います。
4.病気を予防し、治療する
フィトケミカルは薬効成分そのものであり、病気の予防だけではなく治療もします。
5.ホルモンの分泌を助ける
生活する上でホルモンバランスは重要です。このバランスが崩れると自律神経失調症と言われる、いまだに有効な治療法がない難病になります。フィトケミカルは、ホルモンのバランスを調節します。
このように、フィトケミカルはわたしたちの体を守る重要な役割を果たしています。
食生活で、昔に比べて大きく変わった点があります。それは、食材を色と味で選ばなくなったことです。野菜の色は、それぞれの野菜に含まれるフィトケミカルに由来しています。まずは色に注目して食事のバランスを考えて下さい。
トマトやスイカの赤い色素成分であるリコピンは、ビタミンEの100倍、カロテンの2倍以上の抗酸化作用を持つと言われます。がんや動脈硬化の予防、紫外線・アレルギー対策に有効です。
赤ワインやブドウの色素成分であるアントシアニジン。これは、加齢による視力低下を予防し、高血圧を防ぐ作用があります。
ニンジン、マンゴー、カボチャの色素成分であるβ-カロチンには、活性酸素を消去する効果、LDLコレステロールを低下させる効果があります。
トウモロコシに最も多く含まれるルテイン。これは緑黄色野菜などに多く含まれるフィトケミカルですが、眼によく抗酸化作用があります。
ホウレンソウやアボガドの色素成分であるゼアキサンチン。これは眼に有害な青の光をフィルターにかけ、白内障を予防する効果があります。
ブロッコリーや青汁の原料のケールの色素成分であるクロロフィル(葉緑素)にはデトックス効果があり、腸管で有害物質を除去します。
ネギ、ニンニク、キャベツなどの色素成分である硫化アリルには、ビタミンB1の吸収を促進する働きがあります。疲労回復に有効で、血液をさらさらにし、免疫力増加に役立ちます。
このように、色で野菜を選ぶことは非常に効果的です。7色の野菜を万遍なくとることで必要なフィトケミカルを確実に摂取でき、免疫力が高まります。また、容易に手に入れることのできる食べ物の中で、免疫力を高める食材トップ5は、ニンニク、タマネギ、ショウガ、キャベツ、玄米です。これらの食材は一度にたくさん食べるのではなく、毎日少しづつ食べることが重要です。
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明治学院大学 経済学部准教授