女性が自分磨きでワインに詳しくなるのは逆効果、男性の理屈によるアドバイスもNG。「婚活」にも戦略が必要だという。
男性が女性に求める事柄についてのアンケート。回答の上位は「優しい」「明るい」「気がきく」「素直」。
一方、女性は自身のことをどう見ているのか。自己分析についてのアンケートの上位は「自分の考えをしっかり持っている」「個性的である」となった。この2つは、男性が求めるものとして回答した選択肢の最下位グループだった。
また、「優しい」「癒し系」など、男性が好みそうな選択肢を選んだ女性の割合は少数だった。(アンケートは、カルチャースタディーズ研究所 + 読売広告社「女性階層化調査2次調査」2005およびカルチャースタディーズ研究所+イー・ファルコン「男性仕事・生活調査2次調査」2006)
男性が女性に何を求めるべきか、女性はどんな性格であるべきか、などということはここでは考えないが、問題は、結婚を考えている男女の考えが、正反対にあるということだ――。
こう分析するのは、いわゆる「婚活」サービス大手、楽天傘下のオーネットだ。マーケティング部長の西口敦氏は、男女の考え方にギャップがあることを示すこのデータを紹介しながら「男女とも婚活する上で、事実をとらえた上で、ライバルが気づいていないところで戦う必要がある」と指摘する。
「それはすなわち戦略そのもの」(西口氏)
西口氏は、旧日本長期信用銀行を経て、ボストンコンサルティンググループなどで戦略コンサルタントとして活躍した経験を持つ。その観点から「戦略が必要なのは、婚活をする男女にとっても同じ」だ。
「例えば女性は、『自分磨き』と称してワインアドバイザーの勉強をすることが多い。すると、ワインと合うおいしい食事やしゃれたお店に詳しくなる。これは、同性である女子同士では盛り上がるが、彼女らが求める“普通の”男性には、『知識のなさをバカにされそう』『高くつきそう』と敬遠される」(同氏)
男性のNGもいろいろある。「話をただ聞いてもらって共感を得たいだけの女性に対して、理屈を求めたり、余計なアドバイスをしたりしてしまう」(西口氏)。また同社では、「改札で見送る笑顔に好感度がアップする」ので「相手が見えなくなるまで気を抜かないで」と男性に助言している。
事実を正確に理解した上で婚活戦略を立てることで、成功する確率も高まるというのが、婚活の前提となる考え方だ。
西口氏は、これまでのキャリアで培った戦略思考から、「他人の気づかないことをやる」という原点を心掛けながらビジネスを組み立てている。
婚活ビジネスでの具体的な施策として、法人提携に注力する。既に、ソニー、シャープ、NECなど日本を代表する企業が、福利厚生の一環としてオーネットのサービスを活用している。
ビジネスの性質上「うさんくさいと思われることもある」という。だが、大企業による福利厚生サービスとしての採用は、サービスや会社への信頼度を上げる効果があるといえそうだ。
1人あたりの利用料金は、入会時に10万9800円。以降月会費が1万3965円。気軽な投資ではないが、それが信頼にもつながっている。会員数は2010年1月現在で4万人を超え、データマッチにより毎月6人の相手と会うサービスなどが人気。身元を明確にする書類の提出が求められるなど、信頼確保のための仕組みづくりにも力を入れている。
戦略思考によるビジネス展開で存在感を強めるオーネットの次の展開に関心が高まる。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授