わたしには、40回読んでいる本があります。著書名は『経営者の条件』。わたしの人生を変えた本です。
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わたしには、40回読んでいる本があります。初代はボロボロで、ひっそりと書棚で休んでいます。著書名は『経営者の条件』。わたしの人生を変えた本です。この本との出合いは1995年。企業再建を請け負う現場でもがき苦しんでいた時期に手にした1冊でした。特に印象に残ったわけでもなく書棚の一角で忘れさられていました。
再会は、わたしが社会人として大学院に通いだしたときでした。ゼミの一環として行われた「読書会」で取り上げた一冊でした。衝撃が走りました。もっと早く出合っていれば……。
この本は1966年に世に出されていたのです。著者はP.F.ドラッカー。その本の冒頭部分にはこうあったのです。「成果をあげる人に共通するものは、つまるところ成果をあげる能力だけである。成果をあげることは一つの習慣である。実践的な能力の集積である。実践的な能力は修得することができる」。
わたしが衝撃を受けたのは、「成果をあげる能力」という考え方でした。そんなものが世の中にあったのかと。
それは本当に役に立つのか? 2002年からわたしのささやかな実験が始まりました。成果をあげる能力は次の5つです。(1)時間を管理する、(2)貢献を重視する、(3)自らの強みを生かす、(4)最も重要なことに集中する、(5)成果の上がる意思決定をする。難しい言葉が並んでいるわけではありません。読めばそれなりに理解できます。しかしそこに大きな落とし穴があったのです。最初はそのことに気づきもしませんでした。
まずわたしはそれぞれの能力の理解に努めました。たとえば時間管理について述べた章の冒頭部分には、「成果をあげる者は仕事からスタートしない。時間からスタートする」とあります。数回読んだとき突然その真意が理解できました。成果をあげる者は仕事のスケジュールからスタートしない。時間の創造からスタートすると読まなければならないのだと。
それまで行っていたことがスケジュール管理であり、時間の管理をまったくしていなかったことに愕然としました。 理解を深めていく過程で成果をあげる5つの能力は、どれも簡単そうに見え実はとても奥が深いと気づきはじめました。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授