1.外部志向
2.明確でわかりやすい思考
3.想像力
4.包容力
5.専門性
Growth Valuesは人事評価でも利用されている。Growth Valuesと業績の2つの軸で構成されるマトリックスで、全従業員が評価されるのである。
ただし、Growth Valuesは固定しているわけではない。時代が変われば求められるバリューも変わらなければならないという思想のもとに見直しが行われる。世界で最も成功している企業・個人を徹底的に調査し、共通する資質をふるいにかけてバリューを抽出する作業が行われているのである。
さらにGEでは、経営者だけでなく、現場のマネージャ、一般の従業員にもリーダーシップが求められるという。これにより「私は下の人間なので」という言い訳を絶対に許さない文化が作られるのだ。
その一方で、リーダーを養成するプログラムも充実している。財務部門や営業・マーケティング部門、IT部門などの部門ごとにリーダー育成プログラムが用意され、社外/社内から毎年50〜100名の参加者があるという。
講演の最後では、ジェフリー・イメルト会長が「一週間の時間の使い方を教えてほしい」というビジネススクールの学生からの質問に対し「70%はリーダーシップの育成に使っている」と答えたというエピソードを紹介。「リーダーはトップ自らが時間を使って育てなければなりません」(松本氏)と語って、講演を締めくくった。
ラウンドテーブル後半の質疑応答では、活発な意見交換が行われた。講演で説明されたリーダー育成プログラムの実施方法に関する質問、人事評価のあり方、あるいはGEが考えるGrowth Valuesの定義方法などに関する質問に対し、松本氏が回答あるいは参加者と議論を展開する時間となった。
例えば、Growth Valuesについて、参加者の1人から「日本では創業者の言葉や考え方が、企業にとっての不変の価値として受け継がれることが多いが、GEではそういうことはないのか」という質問が出た。
これに対して、松本氏は「GEでは文書に書かれているもの以外は存在しない」として、明文化されていない価値をはっきりと否定。さらに、別の質問者からの「そうはいっても、建前と本音があるのではないか」という質問に対しては「日本的な建前と本音は、グローバル化の最大の障壁」と答えるなど、日米の文化的な違いにまで踏み込んだ議論が展開され、グローバル化を目指す日本企業にとっては、非常に刺激的かつ有意義な時間となった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授