モビリティに優れたタブレット端末は、現場を駆け回るビジネスマンのみならず、企業の経営者にとっても有益な道具だ。彼らはiPadをどうとらえているのか。Webマーケティング業務などを支援するネットイヤーグループで代表取締役社長 兼 CEOを務める石黒不二代氏に聞いた。
私は新しいIT技術が大好きなので、米Appleのタブレット端末「iPad」は早々に手に入れました。普段仕事では、資料作成などを行うノートPC、プレゼンテーションツールとして活用するiPad、そして外出時にメールチェックなどを行うiPhoneと、主に3つのデバイスを併用しています。
元々、ノートPCは社内外問わず常に持ち歩いていたのですが、iPadが登場したことでいくつかのPC業務をiPadで補完できるようになりました。その最たる部分がプレゼンテーションです。
PCが自分自身の作業のために使うスタンドアローン型のデバイスだとすると、iPadは周囲の人たちとの接点になるデバイスであり、さまざまなコンテンツを見せるためのプロジェクタのような存在といえるでしょう。iPadはプレゼンテーションツールという点で最大の能力を発揮します。高機能な液晶、高い操作性などによるデバイスの表現力は、そのままプレゼンの表現力向上につながります。
当社のようなソリューションプロバイダーやコンサルティング会社にとってプレゼンは命。特にWebサイトや携帯アプリなどデジタルコンテンツの提案においては、いかに開発力、デザイン力を適確にアピールできるかが重要です。
私は経営者として、さまざまな場面でプレゼンする機会が多いのですが、従来だと、PCのパワーポイントを会議室のモニタに映したり、紙資料を配布したりしていました。iPadを活用すれば、テキストだけでなく、画像や映像、音楽などさまざまな素材を組み合わせてコンテンツを表現できるようになります。タッチパネルを使って直感的に操作できる点も大きな付加価値です。iPadというデバイス自体がプレゼン資料になるのです。
今あるものをより良く表現する――。iPadの特性を生かすことで、新たなビジネスチャンスを創出することも可能になります。例えば、知人のデザイン会社では、これまで紙というアナログ媒体で表現していた水墨画をデジタル化し、音や動きをつけてiPadアプリで見せることで、大きな反響を得ました。
iPad(App Store)という世界共通のプラットフォームを活用することで、日本の優れたコンテンツや文化など、今まで持っていた資産を世界中のより多くの人たちに届けることができるようになります。やはり、ビジネスシーンにおいては、コンテンツの表現の場としてiPadを使うことが最良の方法だと感じています。(談)
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授