連載
» 2011年06月15日 07時00分 公開

海外ベストセラーに学ぶ、もう1つのビジネス視点:明瞭さと冷静さ、そして勇気を持ってヒートアップした会議をまとめる方法 (3/5)

[エグゼクティブブックサマリー,ITmedia]
エグゼクティブブックサマリー

破壊力、創造力のある議論の炎がもたらす5つのメリット

 話し合いが激化すると、参加者は抑圧されイライラし、更には敵意を持つようになります。そして、個人攻撃が生まれる可能性もあります。もしリーダーが1つの白熱した議論に誤った方法で対処してしまうと、意見の相違は大きくなり山火事のように社内に広まってしまいます。

 そうすると信頼関係がむしばまれ、従業員や従業員同士の人間関係にマイナスな長期的影響を与えてしまいます。しかし、炎をきちんと処理すれば、次のようなさまざまな恩恵を得ることができます。

 ・活力:特定の意見を持った人は、話し合いに活力を与えてくれます。彼らは受け身でも冷淡でもありません。彼らがもたらすエネルギーを活用し、本当の課題に取り組んで下さい

・啓示:議論の破綻により、参加者は問題を異なる視点で見ることができるようになります。

・浄化:議題について本当に思っていることを共有することで、誤解を解くことができます。これにより新しい情熱を持って議題に取り組むことができるようになります。

・再生:森林火災の後に土が再生するように、白熱した議論は革新的な解決策を引き出すような新しく重要な教訓を与えてくれる事があります。

・変革:変革をもたらす衝突の1つの例としてアブラハムの道のエピソードがあります。アブラハムの道は中東の対立する国々を結ぶ道です。その道の発起人であるウィリアム・ユーリーが道を作るプロジェクトの支援を地元のパレスチナ人から受けるためにヨルダン川西岸を初めて訪れた時、ユーリーは敵意と疑念をぶつけられました。アブラハムの道に反対する意見が大きくなる中、ユーリーは口を閉ざしていました。「自由にさせておこう。アブラハム物語は支配を手放し、賢人が現れることを信じる話なのだ」と考えていたからです。ユーリーは地元のリーダー達に彼の計画はリーダー達が必要とするものを尊重するものだと断言しました。アブラハムの道は今、そのリーダー達の巨大な支援を受けています。

 会議の持つダークサイドとして信頼関係の崩壊という最悪の結果があります。しかしそれらを処理することによるメリットはここに書かれている5つの項目です。このメリットをもたらすようにするのが、リーダーの役割ということです。

内側の炎

 不安定な話し合いをコントロールし続けるためには、冷静でいる必要があります。人の本能的反応や「デフォルトの意見」は、子ども時代、教育、家族そして人生経験が寄与しています。しかし、衝突に対処するには、自分の考えが唯一の真実ではないこと、そして他にも合理的な意見が存在することを意識しなければなりません。なぜなら、いかなる議題や状況でもそれに沿った合理的意見が無数に存在するからです。

 また、同じくらい激しく白熱している人が2人いても、その2人が必ずしも同じ方法でその熱を生み出すわけではありません。チームの強烈な熱を観察し、その熱と争うのではなく、自分自身の「温度調節機」を制御する方法を学んで下さい。自分の感情を認識し、それと同時に適切な判断力を維持することが大切です。

 冷静にチームを観察し、メンバーの作業システムや検証すべき問題点を理解して下さい。集団力学に対応するためのさまざまな対処法を考えて下さい。己を知り、自分が話し合いの場に何をもたらすのか知って下さい。会議の後、あなたの言葉やしたことを覚えている人はほとんどいないかもしれませんが、あなたの前でどのように感じたかは覚えています。

 会議中に生じた「炎」は感情から生じていると言えるのではないでしょうか? 議論の元が互いの正当性であることは間違いないのでしょうが、結局のところはそこから先の相手の意見を聞き入れることができない状態になっていることが大きな原因だと思います。「感情」の行きつく先が「炎」と言えるのは、会議の後にリーダーの言葉は覚えていなくてもその本人がどのように感じていたかを覚えているという発言から容易に理解できます。

Copyright© 2014 エグゼクティブブックサマリー All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆