【第4回】ご機嫌なチームを作ろう!チームワーク 2.0(2/3 ページ)

» 2011年11月29日 08時30分 公開
[北原康富,サイボウズ株式会社]

測定手法にみるメンバーシップスキル

 米国・ウィーバー州立大学のマイケル・スティーブンス教授らは、人のチームワークスキルを測定する心理テスト「teamwork KSA(知識、技能、能力)」を開発しました。これは、チームにおける具体的な状況を示した設問に、あらかじめ与えられた4つの答えから1つを選択するものです。例えば、次のような設問です。

あなたは、チームのメンバー数人と、納得できないが定期的にしなくてはならない作業について、誰がそれをするべきか議論になっています。次の中で、この問題を最も効果的に解決する方法はどれだと思いますか。


a)個人の主観に左右されないために、ボスに決めてもらうのがよい。

b)その作業を順番にみんなで行うのがよい。

c)早い者勝ち(最も遅く会社に来た人がする)でするのがよい。

d)担当する人をくじ引きで決めるのがよい。


あなたのチームは、メンバー間のコミュニケーションをよりよく流れるようにし、質を高めようと検討しています。どのようにすべきでしょうか。


a)既に出た発言に基づいて出された意見を使うようにするのがよい。

b)発言する順番を決めて、順に発言するようにするのがよい。

c)より積極的に発言するメンバーに、話す方向性やテーマを決めてもらうのがよい。

d)上のすべてをするのがよい。


 それぞれ正解が含まれています。また、設問は全部で35個あり、この合計点数が高ければチームワークのスキルが高いという仮説を設定しています。KSAは、1994年に開発された後、多くの研究者によってチームのパフォーマンスとの関係が検証されてきました。その多くで、KSAのスコアが、チームのパフォーマンスとの高い相関性があることを認められています。

 KSAの35の設問は、いくつかのカテゴリに分かれていて、その分類を見ることで、チームワークスキルにはどんなものがあるかを教えてくれます。

 まず2つの大きなカテゴリがあります。第一は、人間関係に関するスキル、第二に、チームとしてセルフマネジメントするためのスキルです。人間関係スキルは、衝突の解決、協調して問題を解決する、およびコミュニケーションの3つのサブカテゴリに分かれています。チームセルフマネジメントは、チーム目的の設定と成果のマネジメント、および計画と作業の調整の2つのサブカテゴリに分かれています。

 もう少し具体的に見るために、カテゴリの説明を見てみましょう。ここでは、その説明をチェックリスト風にしてみました。読者の皆さんもチェックしてみてください。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆