【第4回】ご機嫌なチームを作ろう!チームワーク 2.0(1/3 ページ)

チームワーク2.0という“民主主義国家”の市民には、どのようなスキルが必要なのだろうか?

» 2011年11月29日 08時30分 公開
[北原康富,サイボウズ株式会社]

 前回、「チームワーク2.0」を具体的に考える第一歩として、チームを定義しました。基本的なコンセプトとして、チームというものは、組織の中に存在し、その目的を達成する責任と独立性が認められた1つの社会なのです。それは、あたかも民主主義の都市国家のように、首相としてのリーダー、市民としてのメンバーが、チームのために仕事をします。

 それと同様に、リーダーにはリーダーとしての責任能力、すなわちリーダーシップが必要で、メンバーは市民としての責任能力(シチズンシップ)、つまりメンバーシップが必要です。

 今回は、チームワーク2.0という“民主主義国家”の市民には、どのようなスキルが必要なのかを考えてみましょう。

個性の違いを生かす

 チームのメンバーには各々異なった専門性や役割があります。また、一人の人間ですから、好き嫌い、モチベーションの種類、知識、スキルは違います。できるだけ独立して仕事をしたいと考えるメンバーもいれば、いつも相談しながら協力して仕事をしたいと考えるメンバーもいます。このような個性は一見、チームのまとまりにとって良くないように見えますが、個性を簡単に変えることなどできません。また、個性の違いは、多様な側面で物事を見ることができ、エラーの発見や創造性の促進にもつながります。チームは、メンバーの多様性を受け入れたものである必要があります。

 一方で、メンバーの仕事は極めて相互依存的です。手術チームを例にとると、麻酔医、執刀医、看護師など、ほかのメンバーの仕事は、自分の仕事のやり方に大きな影響を与えます。チームが持つ、1つの目的を達成することに対して、メンバー同士が極めて複雑に連携します。個性や専門性の違いを受け入れながらも、1つの目標に向かって協調していかなくてはなりません。

 チームのメンバーシップスキルは、このようなことを実行するために、メンバーが備えるべき能力といえます。それでは、具体的にそのスキルを見てみましょう。

社会的スキル

 社会的スキルとは、他人との良い関係性を維持するための基本的なスキルです。以下を見ていただくと分かるように、これは組織や会社だけでなく、友人関係や平和な家庭生活を続けるためにも大切なスキルです。チームワーク2.0のメンバーが持つべき必要条件でもあります。

積極的なヒアリング・スキル

単に耳を傾けるだけでなく、質問して話を引き出すことができる

コミュニケーション・スキル

受け手が理解しやすい情報の伝え方などを選び、効果的にコミュニケーションできる

相手を見るスキル

相手の反応を見て、なぜそのような反応をするかを理解できる

自分を見るスキル

他人に対して自分はどのような言動をしているかをモニタリングできる

利他主義

他人を、実際に助けることができる

協調性

他人に温かく接して協力できる

我慢強さと寛容性

批判を受け入れ、不満があっても我慢強く対応できる

       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆