トップ1%のサッカープレイヤーに学ぶ成功哲学ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

成功哲学を学ぶのはビジネスマンや学者からだけではない。サッカーのトップ選手から学ぶことも多い。彼らはどうやって夢を実現していったのか。

» 2014年05月01日 08時00分 公開
[水野俊哉,ITmedia]
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 今回の著作『トップ1%のサッカープレイヤーに学ぶ成功哲学』は僕の16冊目の作品になるが、ワールドカップ(W杯)イヤーにちなみ、日本代表や古今東西の各国の代表選手の名言からビジネスや人生の成功哲学を学ぶ」という変わったコンセプトの本となっている。

トップ1%のサッカープレイヤーに学ぶ成功哲学

 そもそも、なぜサッカー選手からビジネスや人生の成功哲学を学ぶという本を書くことになったのか、それには2つの理由がある。1つは、2010年の南アフリカ大会以降に続々と発売された日本代表選手の本を読んだ際に、サッカーのトップ選手の言っていること(本で書いていることやインタビューなどで答えていること)は、過去何千冊と読んだビジネス書や自己啓発書に出てくる成功哲学とほぼ同じことを言っていることに気付いたからだ。

 長谷部誠の『心を整える。』(幻冬舎)をはじめ、長友佑都の『日本男児』(ポプラ社)や『上昇思考』(角川書店)、内田篤人の『僕は自分が見たことしか信じない』(幻冬舎)など、現日本代表選手の本は、僕にはそのまま「自己啓発書」「成功本」として読める部分が多かった。

 例えば、日本代表のエース、本田圭佑は今年1月のACミランへの入団記者会見で、「ミランでチャンピオンになり、チャンピオンズリーグで勝つこと。それしか考えていない。すべての選手を子供のころから知っている。毎週毎週見ていた。日本で一番有名で強いリーグ」(『日刊スポーツ』(2014年1月8日)と述べている。

 入団時の報道で有名になったが、本田は小学校の卒業文集で以下のように書いている。

 「Wカップで有名になってぼくは外国から呼ばれてヨーロッパのセリエAに入団します。そしてレギュラーになって10番で活躍します。一年間の給料は40億円はほしいです。プーマとけいやくしてスパイクやジャンパーを作り、世界中の人がこのぼくが作ったスパイクやジャンパーを買って行ってくれることを夢みている」

 成功法則に共通するのが、『思考は現実化する』に代表される「願えば叶う」というものである。「思考は現実化する」は、若き日のナポレオンヒル博士が鉄鋼王アンドリュー・カーネギーに依頼されて40年もの月日を費やして記された大著である。同書では、成功するための6原則として第1の原則に「明確な目標」を持つ。以下、第2は「プラスαの努力」。第3は、「調和の精神」。第4は「信念の現実化」、第5は「自己規律」、第6は「自然の法則」を上げている。

 12歳の本田少年が「思考は現実化する」を読んでいたとはとても思えないが、彼の言動をチェックしていると、まるで「思考は現実化」するを100回くらい読み込んだのではないかと思えるほど、成功法則が血肉化されている。特に第1章で書いているが、本田などはナポレオンヒルの「思考は現実化」するや「引き寄せの法則」「潜在意識の活用」「アファメーション」や「ビジュアライゼーション」などを使いこなす成功法則上級者の趣きすらある。

 また長友選手なども自己啓発の名著デールカーネギーが乗り移ったのかと思う程のポジティブシンキングぶりで数々の困難に負けず「道を切り開いて」来た印象だ。

 世界中のサッカー選手の自伝を市販のものは全て購入し、古本屋を漁り、新聞記事やナンバーなどの雑誌など、ありとあらゆる選手の名言やインタビューを集め、成功法則、ビジネス法則にのっとって書いたのが本書である。

 もう1つの理由は、他ならぬ僕自身がサッカーに対して人一倍の思い入れがあるという点である。なにしろ僕は10歳の頃から30年間サッカーを続けていて、40歳となった現在でも大学生などと毎週フットサルをしている。現在は家族と首都圏郊外に住居を構えているのだが、毎週サッカーをするためだけに、新幹線で都内まで通っている。移動手段だけはプロ並なので、プロ“草”サッカー選手と自称しているほどである。

 過去の著書にもよく書いていることだが、僕は以前ベンチャー企業の経営者だったのだが上場手前で業績悪化により取締役を解任され、3億円の負債を抱えることとなったその際に助けてくれたのが、草サッカーの仲間たちだった。

 この頃、全ての希望を見失い頭では楽しい要素を何もみつけられなくなっていた。そんな時でも不思議とボールを追いかけて全力で走り、プレイをして汗を流している間だけは心が躍るような喜びを感じることができた。

 それからしばらくして僕は元経営者から作家として生まれ変わり、本を書くようになり、あれからW杯2大会分ほどの時が流れたのだが、今の僕はかつての経営者としての経験とビジネス法則や成功哲学を研究した成果をビジネスコンサルティングしたり、「成功本のコンシェルジュ」とまで呼ばれた研究成果を伝える出版セミナーや塾などを開催するようになっている。著作数は本書を含めて16冊になった。

 昔の辛い日々を思えば夢のようだが、これもひとえにビジネス書を多読し、成功哲学を研究するだけでなく、愚直に実践し続けてきたからだと思っている。今度は本を通じて、成功哲学とサッカーの素晴らしさを伝えられればと思っている

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