気づかいは、人間的、道徳的にすぐれていることではなく、利益を生み出し、きわめて効率のいいこと。一流のふるまい方とは。
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一流の人も、二流の人も、気づかいはしています。
二流の人の気づかいは、分かりやすい。
一流の人の気づかいは、さりげなくて、気づきません。
得意先や女性の前でレストランの予約が通っていないと、ダンドリの悪い最低な男に見られていると感じます。女性が思っている以上に男性は、方向感覚のないこととダンドリの悪いことを気にします。
予約が通っていないと、「よく調べてください」から「責任者を出してくれ」という話に発展して、逆ギレします。
自分に非がないことを連れに証明したいのです。
ダンドリが悪いのはお店のほうで、自分は被害者であるということを、きちんと立証して一筆もらいたいと言い出すと、お店が急に裁判所になります。
ここで「ゴメン、僕が連絡をし忘れていた」と言うことで、連れの目には「器が大きい」と映ります。
お店の人も「ちょうど遅くからのご予約の席がありまして、それまでの時間でしたら、ちょっと窮屈かもしれませんが、ご案内できます」と言えます。
「責任者を出せ」という話になると、「これ以上この人には」となります。「忘れていたかもしれない」よりも、「忘れていた」と言い切るほうがカッコいいのです。
言い切れなければ、「忘れていたかもしれない」から試していけばいいのです。
部下に対しても、さりげない気づかいはあります。
上司・部下・同僚・お客様、誰にでも伝言ミスはあります。言った言わないの水かけ論になります。伝わっていないことは事実です。
二流は、「言いましたよね」と言います。
一流は、「僕の言い方が紛らわしかった。ゴメン」と言います。
あとがスムーズに運ぶ気づかいができるのです。「言ったよね」と言うと、リカバリーが遅れます。
気づかいは、人間的、道徳的にすぐれていることではありません。利益を生み出し、きわめて効率のいいことです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授