これら4つの現実は変えることができない。それらは変えることのできない状況である。従って、成果をあげることを学ぶべく特別の努力を払わないかぎり、成果はあげられないことを知らなければならない。
ピーター・ドラッカー
成果をあげにくくしている4つの現実に身をゆだねてしまえば成果は生まれない。成果をあげる人は、決して成果をあげにくくしている4つの現実に身を委ねない。もちろん、へつらいによって成果をあげることはできない。成果をあげている人は、どんな習慣を身に付けているのだろうか。
ドラッカーはこう言っている。
エグゼクティブとは行動する者であり、物事をなす者である。エグゼクティブにとっては、いかなる知識といえども行動に転化しないかぎり無用の存在である。しかし行動の前には計画しなければならない。望むべき結果、予想される障害、必要となる修正、チェックポイント、時間管理上の意味合いを考えなければならない。
ピーター・ドラッカー
成果をあげる人は、成果をあげにくくしている4つの現実に埋没することなく、行動を起こす。そして、物事を成し遂げる。させてもらえないことに不満を言う代わりに、してよいことを次から次へと行い、成果をあげにくくしている4つの現実からすり抜けていく。成果をあげる人は、成果をあげるために行動の前にアクションプランをつくることを習慣にしている。アクションプランがなければ、成果をあげにくくしている4つの現実にのみ込まれ、成果を捨てることになるからだ。
前記した計画について補足をしたい。
ドラッカーは次のようにも言っている。
通常、仕事においての助言は「計画せよ」から始まる。もっともらしく聞こえるが、問題はそれではうまくいかないことにある。計画は紙の上で消える。よき意図の表明に終わる。実行されることは稀である。私の観察では、成果をあげる者は、仕事からスタートしない、時間からスタートする。
ピーター・ドラッカー
ドラッカーが言う計画とは、決して、タスクリストを書くことでも、スケジュール表を書くことでもない。まずは成果をあげる仕事に使える時間がどれくらいあるのかを明確にする。そして、成果をあげる仕事に使える時間をつくる。これが時間からスタートするということだ。
次の1から4を行い、ブランクにあなたの答えを考え、アクションプランをつくってほしい。成果をあげる人はそれを習慣にしている。
1、必要とされる時間を明らかにする。
2、時間の使い方を診断する。
3、時間浪費の原因を整理する。
4、自由になる時間をまとめる。
私の望むべき結果は、__________________________であり、
予想される障害は、___________________________である。
必要となる修正は、___________________________であり、
チェックポイントは__________________________ である。
(参考文献:次の書籍の中から一部引用させていただいた。『経営者の条件』)
ドラッカー専門の経営チームコンサルティングファーム トップマネジメント
東京都渋谷区出身。ドラッカーコンサルティング歴約33年。外資系コンサルティング会社勤務時、企業向けにドラッカーを実践する支援を行う。中小企業の役員と上場企業の役員を経て、ドラッカーの理論に基づいた経営チームをつくるコンサルティングを行う、トップマネジメントを設立。現在は上場企業に「経営チームの研修」「経営幹部育成の研修」「後継者育成の研修」を行っている。
著書に『ドラッカーが教える最強の後継者の育て方』(同友館)、『ドラッカー5つの質問』(あさ出版)、『新版 ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 』(同友館)、『日本に来たドラッカー 初来日編』(同友館)、『ドラッカーが教える最強の経営チームのつくり方 』(総合法令出版)、『ドラッカーのセミナー』(Kindle)、『ドラッカーが教える最強の事業承継の進め方』(Kindle)がある。主な連載に『ドラッカーに学ぶ成功する経営チームの作り方』(ITmedia エグゼクティブ)がある。ほか多数。
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【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授