空調の気流を制御することで通常の個室型待合室と変わらない快適な空間を作り出しており、利便性の向上や省スペース化が期待される。10月ごろまで実証を行い、2026年度の実用化を目指す。
パナソニックホールディングス(HD)は7日、大阪市港区の大阪メトロ朝潮橋駅のホームで実証実験中の扉がなくても涼しい待合ブースを報道陣に公開した。空調の気流を制御することで通常の個室型待合室と変わらない快適な空間を作り出しており、利便性の向上や省スペース化が期待される。10月ごろまで実証を行い、2026年度の実用化を目指す。
扉のない待合ブースは、いすの真上から吹き出した冷気を利用者の背中付近で吸い込んで循環させる仕組み。部屋全体を冷やす個室型待合室と比べ、頭部の体感温度は下がるが足元は冷えすぎないため、快適に涼むことができるという。暖房時は足元から暖気が出て下半身を温める。
ブースの奥行きは125センチと省スペースで、ホームが狭い駅でも安全に設置できる。扉の開け閉めが不要のため、力が弱い高齢者らも利用しやすい。
この日は大阪市内で最高気温37.6度を観測する猛暑日となり、朝潮橋駅のホームもうだるような暑さに。利用した男性は「座ってみたら涼しくてびっくりした。すごくいい」と喜んでいた。
パナソニックHDは駅だけでなく、スポーツの会場などでの実用化を検討している。(桑島浩任、写真も)
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