楽天モバイルは防災の日の9月1日、衛星通信や移動基地局車など、災害対応技術を公開した。衛星とスマートフォンが直接つながる最新技術によって、既存の基地局網が整備されていない地域でも通信が可能になるなど、情報通信は大きな転換点を迎えている。
楽天モバイルは防災の日の9月1日、衛星通信や移動基地局車など、災害対応技術を公開した。衛星とスマートフォンが直接つながる最新技術によって、既存の基地局網が整備されていない地域でも通信が可能になるなど、情報通信は大きな転換点を迎えている。消費電力など、生活に密着したデータや生成人工知能(AI)の活用も進んでおり、日本のIT技術が効率的な救助活動や偽・誤情報の拡散防止といった防災力の向上に貢献している。
楽天は米宇宙ベンチャー企業と提携し、市販されているスマホでも衛星と直接つながり、テレビ電話や動画の伝送が可能な高速通信の実現を目指している。4月の実証実験では、東京都内と福島県の拠点間でのビデオ通話に成功した。2026年10月以降の商用サービス開始を予定しており、利用条件や料金などを検討している。
生活の必需品になっている携帯電話の通信エリアは、国土面積の3分の2程度。人が居住している地域はぼぼカバーされているものの、山地や離島では通信網が未整備の地域が残っている。2024年1月の能登半島地震は、通信網が脆弱な半島部の弱点を露呈した一方、米企業スペースXの衛星インターネットサービス「スターリンク」が、被災地の通信に一役買い、注目を浴びた。
KDDIはスターリンクを活用した通信に注力している。4月から他社に先駆けて短文の送信機能などの簡易通信を開始。8月下旬からはグーグルマップなど、一部のアプリでデータ通信が可能になっており、機能を拡充している。
通信網が整備されれば、救助活動や復旧支援にデジタル技術を活用できる幅が広がる。NTTデータは9月1日、同社が開発を手掛ける電力データを集約するシステムで、大手電力10社との接続が完了したと発表した。各家庭に設置されたスマートメーターで取得した30分ごとのデータを、数時間後には全国に提供できる。
電力データは、消費電力の傾向などから、住宅に実際に人が居るかどうかなどを判断できる。被災家屋の捜索や空き家かどうかの確認などが可能になるという。
防災・危機管理サービスを提供する「スペクティ」(東京都千代田区)はSNSや気象データ、河川情報などを生成AIがリアルタイムで監視する危機管理サービスをフィリピンで正式に立ち上げた。同社のシステムは、二次災害をもたらすSNSのデマ情報も検知できる。豪雨災害や度重なる大地震などを経験した日本の防災力は世界の災害現場でも存在感を高めている。(高木克聡)
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