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» 2011年02月02日 08時00分 UPDATE

小松裕の「スポーツドクター奮闘記」:アトランタオリンピック野球の同窓会 (1/2)

オールアマチュア選手で臨む最後のオリンピックとなったアトランタ大会。毎年開かれる同窓会に出席してきました。15年前のことなのに、当時の情景が鮮明によみがえってきました。

[小松裕(国立スポーツ科学センター),ITmedia]

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 1996年に開催されたアトランタオリンピック。今からもう15年も前になりますが、この大会が私のスポーツドクターとしての原点です。このオリンピックの野球チームは今でも年に1度、同窓会を開いています。「アトランタ会」と呼ばれる同窓会は、年明けに熱海で行われて、久しぶりに出席してきました。

 アトランタオリンピックまで野球チームの参加メンバーは全員アマチュア選手でした。今振り返ると、当時のメンバーはなかなか錚々たる顔ぶれです。オリンピック後に多くの選手がプロ入りしました。例えば、福岡ソフトバンクホークスの松中信彦選手、千葉ロッテマリーンズの井口資仁選手や今岡誠選手、読売ジャイアンツの谷佳知選手、そして、米シカゴ・カブスの福留孝介選手などが今でも活躍しています。

 社会人野球でもHonda(ホンダ)の西郷泰之選手など現在も現役として活躍している選手がいます。プロに行かなかった選手も、ほとんどがアマチュア野球の指導者として活躍しています。オリンピックに出場した経験を生かして、野球による社会貢献や人間教育を目指して頑張っています。

 私にとってアトランタオリンピックは、チームドクターとして初めて帯同したオリンピックでした。スポーツ現場で何をしたら良いのか、どのように選手たちと接すれば良いのか、最初はよく分からず、たくさんのことを勉強させてもらいました。そんな私を温かい目で見守り、育ててくれた監督やコーチ、選手の皆さんにはとても感謝しています。ですから、アトランタオリンピックは特別な思いがあるのです。

エースの奮闘

 集まった仲間たちは皆元気でした。オリンピックのこと、直前合宿のこと、いつも一緒にいたあの頃を思い出しながら、話に花が咲きました。

 オリンピックの試合会場は、今はもうなくなってしまったフルトン・カウンティ・スタジアムでした。予選リーグ初戦はオランダ戦で、早稲田大学の三沢興一投手(後にジャイアンツ入団)が先発してコールド勝ちと順当な滑り出しでしたが、その後キューバ、オーストラリア、米国に3連敗。決勝トーナメントに進むためにはこれ以上負けられない状況に追い込まれました。

 チームの雰囲気はかなり悪くなったのですが、それを救ったのがエース・杉浦正則投手(日本生命)でした。ニカラグア戦での気迫あふれる好投で皆が奮い立ち、元気を取り戻しました。その後、3連勝で決勝トーナメントに進出しました。

 準決勝の相手は予選で大敗している米国です。チーム全員で米国戦のビデオを何度も見て研究し、試合に臨みました。結果、打線が爆発し、投げては、杉浦から川村丈夫投手(後に横浜ベイスターズ入団)のリレーで米国を圧倒しました。

 決勝の相手は、当時国際試合で負けなしのキューバ。序盤に大量点差をつけられましたが、4番打者の松中信彦による同点満塁ホームランなどで一度は追いつきました。最後は突き放され負けはしましたが、見事、銀メダルを獲得したのでした。

アトランタオリンピック会場での松中信彦選手(左)と著者 アトランタオリンピック会場での松中信彦選手(左)と著者
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