昨年10月に閉幕した大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)跡地で、解体業の三同建設(同市)はこのほど、重機を使い遠隔で建物を解体する様子を報道陣に公開した。記者は閉幕後に初めて万博取材に参加し、会場に足を運ぶのは今回で3度目。「アフター万博担当」として、閉幕約4カ月後の会場の姿をリポートする。
昨年10月に閉幕した大阪・関西万博の会場(大阪市此花区)跡地で、解体業の三同建設(同市)はこのほど、重機を使い遠隔で建物を解体する様子を報道陣に公開した。記者は閉幕後に初めて万博取材に参加し、会場に足を運ぶのは今回で3度目。「アフター万博担当」として、閉幕約4カ月後の会場の姿をリポートする。
公開されたのは、バスやタクシーの発着拠点だった西ゲートの周辺エリア。EXPOアリーナや飲食店ブースなどが立ち並び、フューチャーライフゾーンと呼ばれた。
会場跡地を訪れるのは昨年11月以来。まず、世界最大の木造建築で知られた万博の象徴「大屋根リング」の変貌ぶりに驚いた。柱の一部がすでに撤去され、欠けた空間の地上を工事用の車が出入りしていた。
公開現場へ到着すると、遠隔操縦で動く無人重機が待ち受けていた。三同建設によると、15トンのショベルカーに、コベルコ建機の遠隔操作システムを搭載。現場から直線距離で約10キロ離れた三同建設本社に設置したコックピットから衛星通信で重機を操作する。
かつてのフューチャーライフゾーンで、無人の重機が、土産物店などが入居した建物を解体。ハサミ状になったアーム先端のカッターで器用に屋根の部材を剥いだり、鉄骨を切断するなどしていた。また、大屋根リングの内側では、大型クレーンが林立しており、人気を博した海外パビリオンの解体作業が進む様子が見受けられた。
続いて記者は、同市西区の三同建設本社を訪問。社屋4階にあるコックピットの7つのモニターには、重機周辺の様子が映し出された。エンジン音、振動、座席の傾斜などが機体に連動しており、アームを動かすと、現場での操縦感覚がリアルに伝わる。
同社は昨年9月に遠隔操縦の無人重機を導入し、今月から万博の会場跡地で本格運用を始めた。遠隔操縦は、建設工事などの現場で徐々に普及しているが、解体への活用は極めて珍しいという。
窪田良章取締役は「『未来社会の実験場』がコンセプトだった万博の会場で実用化したいという思いがあった。天候に左右されず安全に作業ができる環境を整えることで人手不足の解消につなげたい」と話す。
万博会期中、「空飛ぶクルマ」のデモ飛行や無人バスの運行など、さまざまな無人化技術が披露された。
こうした最新技術は「レガシー」として記憶され、実用化も進んでいる。(前川康二)
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