求められるイメージと自分のイメージ服装は政治だ

米国には「ドレスフォーサクセス」という言葉があります。おしゃれのためではなく、成功するために装う。そう、まさに服装は政治なのです。

» 2012年07月06日 08時00分 公開
[大里千春,ITmedia]
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 イメージ戦略の立て方の第3回目は「イメージ」について話します。

 イメージ戦略というのは、外見をよくするのが目的の戦略ではありません。仕事によってはファッショナブルすぎることで、かえってマイナスになる場合があります。

 急にファッションに力を入れたり、突然ビフォーアフターのように変身してしまった人を見て、何かあったのかと噂をする人はいても、急に仕事ができるようになったと見る人は少ないからです。ただ単に外見をよくするというのではなく、自分の目標にふさわしい姿になる、これがとても大事です。

 自分の2〜3年後の具体的な目標をたてたら、次のステップはその姿にはどういうイメージが求められるかを考えます。他の人が見て、あの人はそのポジションにふさわしいとイメージされるものを明確にするのです。

 例えば、仕事内容やポジションによっては、強いリーダーというイメージかもしれません。誠実さ、正確さ、信頼できることが大事という場合もあるでしょう。また、優しさ、親しみやすさ、明るさなどが求められる場合もあります。

 それを思いつくまま形容詞にして書いていきます。なかなかイメージが思いつかない場合は、例えば有名人なら誰がこのポジションにふさわしく見えるか、あの映画の○○さんがやっていたあの役の人ならこの仕事を成功させるイメージが湧くなど、具体的に映像化すると考えやすいでしょう。

 書き終わったものをまとめると次のどれに近いですか?

1、爽やかなスポーティさ

2、保守的なトラディッショナル

3、洗練された品位のあるエレガントさ

4、柔らかいソフトさ

5、芸術的センスのあるクリエーティブ

6、強い統率力のダイナミックさ

 次のステップは現在の自分のイメージです。同じように形容詞にして書いていきます。

 ここで大事なのは自分が思っている事と周りから見られているイメージと違う場合があるということです(しかもそれは結構多い)。知らず知らずのうちに自分が他人にどんなメッセージを発しているか、客観的に知る必要がありますので、周りの誰かにフィードバックしてもらったり、あまり見たくはありませんが、自分自身をビデオに撮ってみるのも良い方法です。

 そしてまた書き出したものをまとめてみます。先ほどのカテゴリーのどれに近いですか?

 その結果を見て、求められるイメージと現在のイメージが一致している場合は、その路線でよりクオリティの高いモデル像を作っていきます。違っている場合はミックスしながら、アレンジしていきます。もし極端に違っているとしたら、それは目標自体が真の目標なのかどうか見直す必要があります。(柔らかいソフトなイメージが求められるのに本当の自分は、他人を威圧するようなイメージなどという場合)

 口癖ひとつでイメージは大きく変ります。大事なのは、船を進める時にどの方向にかじを取るかという事です。最初は少しの角度でも、進むに連れて行き先が大きく違ってきます。

 じっくりと作戦を練ってみましょう。

著者プロフィール

大里千春(Chiharu Ohsato)

イメージストラテジスト。エグゼクティブコーチ。

4歳からピアノを始める。そのまま音楽の道に進み、講師としてのべ2000人以上の生徒への教育の実績を積む。コーチングに出合い、音楽のキャリアに終止符を打ち独立。自らの体験から人生が大きく変わるきっかけとなった、コーチングとイメージストラテジングをその職業に選ぶ。ニューヨークにてイメージ関係のスキルを幅広く学び、ICF国際コーチ連盟ACC認定コーチ、AICI国際イメージコンサルタント協会認定イメージコンサルタントの資格を取得。

主にエグゼクティブを対象にパーソナルコーチング、組織内の関係性をデザインするリレーションシップコーチング、またイメージ戦略コンサルティング、セミナーを行うことにより、ビジネスでの成功を導いている。人が自分自身の深い部分とつながり、誇りを取り戻し大きな力で限界を超えていく姿に、コーチ、イメージストラテジストとしてサポートができることに限りない喜びを感じている。著書「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」日本経済新聞出版社。


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