自分を知る服装は政治だ

米国には「ドレスフォーサクセス」という言葉があります。おしゃれのためではなく、成功するために装う。そう、まさに服装は政治なのです。

» 2012年06月15日 08時00分 公開
[大里千春,ITmedia]
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 コーチは自分自身にコーチを付けます。わたしがコーチングを受けるようになって、一番よかったなと思う事は、自分の事がよく分かるようになったことです。

 人生の本当の目標に始まり、強み、気付いていなかったリソース、考え方の特徴、コミュニケーションの取り方の特徴、価値感……。コーチにただひたすら自分の話を聞いてもらう。わたしはこんな事を考えていたのかと気付きます。他の人の事は分かっても、自分自身の事は意外と分かっていないものだとつくづく感じました。

 外見上はどうでしょう。どうすれば自分が人にどのように見えているのかを知る事ができるのでしょうか。

 鏡を見るとそこに自分が写っています。ただ人は鏡を見た途端、無意識にいい顔を作ります。自分で見て心地よいと感じる顔、それは普段他の人に見せている顔より2割ほどアップグレードした顔です。考え事をしている顔、食べている時、仕事をしている時などさまざまな表情がそこにあります。

 以前、フィニッシングスクールに通っていた時、先生にこんな事を教わりました。外見というのは公共のものです。自分の顔を自分で見るのは鏡を見たときだけです。でも他の人達は、あなたの顔をいつも見せられています。できるだけいい顔を周りの人に見せてあげましょう、それはマナーであり、人に対する思いやりです。

 米国に本校があるその学校では基本的な考えは米国と同様でした。誰のために装いますか? という質問に、日本人は自分のためと答えます。米国では彼のため、周りの人のためなど、それを見る相手の事を考えます。外見を公共のものと捉える考え方が新鮮で、それ以来、場にとって、相手にとって自分の外見はどうなのか、という視点を持つようになりました。

 自分自身がどう見えているか、一番よく分かる方法、それは「人」という鏡です。相手の方がにこやかに接してくれる時、きっと自分もいい表情をしています。相手がとてもぶっきらぼうな態度の時、そこに鏡があればその中に不機嫌な表情の自分を発見するでしょう。

 外見は公共のもの。相手の中に見える自分自身を意識して下さい。

著者プロフィール

大里千春(Chiharu Ohsato)

イメージストラテジスト。エグゼクティブコーチ。

4歳からピアノを始める。そのまま音楽の道に進み、講師としてのべ2000人以上の生徒への教育の実績を積む。コーチングに出合い、音楽のキャリアに終止符を打ち独立。自らの体験から人生が大きく変わるきっかけとなった、コーチングとイメージストラテジングをその職業に選ぶ。ニューヨークにてイメージ関係のスキルを幅広く学び、ICF国際コーチ連盟ACC認定コーチ、AICI国際イメージコンサルタント協会認定イメージコンサルタントの資格を取得。

主にエグゼクティブを対象にパーソナルコーチング、組織内の関係性をデザインするリレーションシップコーチング、またイメージ戦略コンサルティング、セミナーを行うことにより、ビジネスでの成功を導いている。人が自分自身の深い部分とつながり、誇りを取り戻し大きな力で限界を超えていく姿に、コーチ、イメージストラテジストとしてサポートができることに限りない喜びを感じている。著書「優れたリーダーが実践するイメージチェンジ成功法」日本経済新聞出版社。


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