U理論が導くイノベーションへの道
「出現する未来」を実現する7つのステップ――観る:Seeing(後編)(1/2 ページ)
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
「保留」が習慣化している人は「センス オブ ワンダー(驚きのセンス)」と言われる能力が高くなり、一般的に好奇心旺盛な人、柔軟な人として周りから認知されるようになります。そうなれば、「あの人は、よく話を聞いてくれる」とか、「あの人と話していると、特段アドバイスをされたわけでもないのに、自分の考えがまとまっていくから不思議だ」と言われるようになります。
この「保留」は、とりわけ日常のコミュニケーションの質を高めるための手段といえます。この「ダウンローディング」から「観る(Seeing)」への移行が起こりやすくなるよう組織的に取り組んでいる事例を1つ紹介しましょう。
1997年度に日本経営品質賞を受賞したこともある「千葉夷隅ゴルフクラブ」というゴルフ場なのですが、そこでは「ダウンローディング」から「観る(Seeing)」へとスタッフ全員が移行しやすい状態を仕組みとして構築し、それぞれが自分の行動や仕事の仕方を見直すサイクルがしっかりと組み込まれているようです。
中でもわたしが興味を引かれたのは、田原俊彦さんの歌のタイトルから名づけられた「ハッとして! Good」というカードの運用です。このカードは、日々仕事をしている中で、「ハッとしたこと」を各自が随時カードに記入し、それを組織的に共有するというものです。
例えば、キャディーさんのサービスに対しての感謝や不満を、お客様のから直接聞くことはほとんどありません。しかし、ゴルフが終わって、一緒にラウンドした友人とともに、一汗流すためにお風呂に入って、身体を洗ったり、湯船につかったりしてリラックスした時に、「あのキャディーさんは、気が利くよねえ」とか、「あのキャディーさんは、しゃべり過ぎだよね」いったことを口にするそうです。
そのことをお風呂の掃除担当の人が耳にしたら「ハッとして! Good」カードに記入して報告します。それは、キャディーさんにフィードバックされたり、時にはフロントに即座に共有され、お客様が帰られる際に、フロントから一言感謝やお詫びを伝えたりするといった運用がなされているとのことでした。
こうした活動が徹底されているのであれば、サービスの質はどんどん高くなるでしょうし、他とは一味違ったサービスが味わえるゴルフ場として口コミで広まることも容易に想像がつきます。もちろん、こうしたたった一つの工夫だけで、日本経営品質賞を受賞したとは言えませんが、土台の一つになっていると考えてよいでしょう。
ここまで、「観る(Seeing)」ことを深く理解すえうめに、「ダウンローディング」と対比しながら、「保留」も含め詳細に紹介しました。最後に、日常生活の中で「保留」の力を高める方法を紹介しましょう。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
U理論が導くイノベーションへの道
この記事の著者
関連記事
ITmedia エグゼクティブのご案内
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。 勉強会のスケジュールはこちら
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入して申請ください。審査のうえ登録させていただきます。
- 入会条件:
- 上場企業および上場相当企業の課長職以上
※入会は無料です
エグゼクティブコンテンツ
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
「レッドガス」時代の羅針盤【第三章】従来型グローバルサプライチェーン設計思想からの脱却
-
2
第11回:世界の潮流は「これからのリーダーはEQの高いリーダー」。日本にも根付くか?
-
3
「その100時間は、何も生み出していない」――認知科学者・堀田創氏が斬るリーダーの"見えない疲れ"
-
4
第50回:なぜ「優秀なマネジャー」ほど経営に嫌われるのか
-
5
「CISOは1人の経営者たれ」――ログの先の人を思う、LayerX CISO 星氏
-
6
ITmedia エグゼクティブ勉強会スケジュール
-
7
高島屋・村田善郎社長 挑戦続けるアバンギャルドな百貨店 ベトナムや新型SCに重点投資 My Vision
-
8
明和電機が愛車で全国47都道府県を駆け巡る、「UMEツアー2026」が開催中
-
9
劇的に生産性が上がる「15分単位の予定表」
-
10
勇者に最適な武器を! 世界に羽ばたく日本企業を生み出す - Cloudbase 岩佐氏
ITmedia エグゼクティブ SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaエグゼクティブをフォロー