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» 2012年11月30日 08時00分 UPDATE

キャリアプラン 90歳までの現役計画:50歳台をどう生きるか

日本には、テロも戦争も民族紛争も、徴兵も強制収容所もない。生活は、衣食住どの点でも世界最高のレベルにある。悲観論に振り回されてはいけない。

[郡山史郎(CEAFOM),ITmedia]

 この日本国で、2012年に50歳台というのは素晴らしいことです。世界中で最も平和で、豊かな国の20世紀を半分、21世紀を半分生きるわけですから、幸運を神様に感謝すべきでしょう。

 日本には、テロも戦争も民族紛争も、徴兵も強制収容所もありません。生活は、衣食住どの点でも世界最高のレベルにあります。世界中の食べ物や娯楽が、居ながらにして楽しめ、その気になれば、世界のどこにでも漫遊に行けます。この状態は21世紀の終わりまで間違いなく続きますから、20世紀を生き残りいま50代というのは、人類史上最も幸運な世代です。メデイアの悲観論に振り回されてはいけません。

 さて、それでもあまり幸せでない、日々の暮らしは楽でない、実際に失業して困っている、そこまでいかなくても毎日精神的にも肉体的にも苦しい、という方は、今日日本にはたくさんいます。その基本的原因は仕事にあります。

 これまでの、高度成長期には仕事は有り余るほどあり、求職者が足りませんでした。今、それは完全に逆転していて、仕事が不足しています。この需給の逆転は、就業している人に労働強化と給与カットを強制します。また、いったん何かの理由で離職すると、長期に仕事が見つからない失業地獄が待ち構えています。これは簡単な経済原則で、変えることはできません。

 それではどうするか。まずこの経済原則を拳々服膺(けんけんふくよう)して、いま持っている仕事を徹底的に大切にする。それを失わないように、あらゆる努力をする。ごますりでも何でもいい。過労死だけは避けてそれ以外のことは何でもする。そのくらいのことでないと、生き残れません。

 何かの理由で離職したらどうするか。まずそれは原因のいかんを問わず、自業自得と決心して万策を講じて仕事を探す。長期戦で条件は極端に悪いことを認識して、最初に見つけた仕事に飛び込む。そして我慢してその仕事を大切にする。それしかありません。

 ただ、どのような不幸に遭っても、他の世界に比べると軽い不幸なのです。他の時代、他の場所で同じような目にあったら、それこそこの程度では済みません。それをよく認識してこの時代を生き残り60代につなぐ。60代は第一試合の最終回です。

 そこを終わったら、次の試合を楽しめます。いまどのような状態にあっても、まだ40年ほど残っています。その間に、いままでの40年とは全く違う楽しい経験が待っているはずです。これは楽観論ではありません。事実です。すべての国の50代がそうとは、限りません。日本に生まれた幸せを前提にして、目前の問題解決のみに全力を尽くす、これが50代の皆さまへの提案です。

著者プロフィール

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郡山史郎

株式会社CEAFOM代表取締役社長

1935年鹿児島県生まれ。一橋大学経済学部卒。1959年ソニー入社

スイス、米国に市場開拓マネジャーとして通算12年滞在。米国大企業に転じて、日本代表、北アジア担当、複数の関連会社の社長を歴任。1981年にソニーに復帰し、取締役情報機器事業本部長、常務取締役経営戦略本部長、資材本部長、一般地域統括本部長など歴任。2004年株式会社CEAFOM創業。

国際大学、早稲田大学、一橋大学、九州大学など講義、講師多数。外国人記者クラブ、証券取引監視委員会など講演多数。著書、「ソニーが挑んだ復讐戦」。

ソニー創業者、井深大、盛田昭夫、大賀典雄の直属幹部として永年経営に参加し、社長賞4回の実績あり。現在、多くの企業に対し、経営全般、グローバリゼーション、事業企画などのテーマでアドバイスを行い、また、役員、幹部社員の研修講演なども行っている。


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根来龍之

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆