グローバルで活躍するための「考え抜く力」ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/2 ページ)

十分に理解したうえで意見を持つ。理解を深めた後大切なことそれは根拠。自分の頭で考え抜くことで、意見が説得力を持つようになる。

» 2014年02月13日 08時00分 公開
[狩野みき,ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


ビジネス書の著者たちによる連載コーナー「ビジネス著者が語る、リーダーの仕事術」のバックナンバーへ。


 「どうしたらいいか、なんて自分で考えてよ」

 「言いたいことは分かるんだけど、いまひとつ説得力がないんだよね……」

 これに似たようなことを、皆さんもどこかで言われたことはありませんか。自分で考えて自分なりの答えを出すこと。想定外の事態を乗り切るべく、新たなシナリオを考え出すこと。自分の意見に説得力を持たせること。いずれも、きちんと考えることができなければ、うまくはいきません。しかし、「きちんと考える」には、どうすればいいのでしょう。

世界のエリートが学んできた 「自分で考える力」の授業

 グローバルな舞台で活躍する人々に目を向けてみると、彼らは一人ひとりが明確な意見を持ち、じっくりと考え抜くためのスキルを身につけているようです。これはひとつには、彼らが受けていた教育のためだと言えます。エリートと呼ばれる人たちの多くは、アメリカやヨーロッパなどの良質な学校に学んでおり、そこで彼らが習得するのが「考え抜く力」なのです。これこそが、グローバルで活躍するための武器になるわけです。

 『世界のエリートが学んできた「自分で考える力」の授業』は、日本の学校が教えてくれなかった「考え抜く力」を、欧米の学校での教え方をヒントに、大人、主にビジネスパーソン向けに分かりやすく伝授します。ここでは、その中でも、特に大切なことについて話します。

ハーバード大学も提唱する「自分の意見」の作り方3ステップ

先生「リーダーってどんな人だと思う?」

子ども「偉い人!」「人気のある人!」「頭のいい人!」

先生「"リーダー"について、分からないこと、知りたいことって何がある?」

子ども「どうしたらリーダーになれるの?」「昔からリーダーっているの?」

先生「"リーダー"についてみんなが疑問に思うこと、知りたいことを挙げてみようよ。それから、みんなで調べて、疑問を解決しよう」

先生「さて、"リーダー"について、色々なことが分かったところで、みんなに質問。"理想のリーダー"ってどんな人だと思う?」

子ども「みんなのこと、一人ひとりのことをきちんと考えてくれる人。みんなを人間として扱わずに失敗したリーダーは、今までたくさんいたから」


 この「ある教室でのやり取り」は、欧米の小学校での授業風景をイメージしたものです。この欧米式授業では、日本の普通の学校の授業では教えてくれない「あるもの」が見事に指導されています。その「あるもの」とは、「自分の意見の作り方」。考え抜く力の基本です。

 この授業風景の流れをおさらいしてみます。

 子どもたちはまず、(1)自分が「リーダー」についてどんなことを知っているか確認し、(2)次に「リーダー」に関して疑問に思うことや知りたいことを調べ、(3)最後に「理想のリーダー像とは何か」と各自意見を言っています。この(1)→(2)→(3)こそが、どんなテーマにも応用の利く、「自分の意見の作り方」の3(スリー)ステップです(米・ハーバード大の教育プロジェクトも、この3ステップの重要性を唱えています)。

 「自分の意見の作り方」の3ステップを、ビジネスでも応用が利くように焼き直すと、こうなります。

  • ステップ(1) 「あること」について自分はどれだけ理解しているのか、まずは確認する(「理解していること」を確認することによって、「理解できていないこと」の存在が明らかになる)

 ↓

  • ステップ(2) 「あること」について理解できていないことは何か、把握し、「理解できていないこと」を解決するために、調べる(理解が深まる)

 ↓

  • ステップ(3) 自分の意見を持つ

 ここで重要なのは、「あること」に対する理解を深めること(ステップ(1)と(2))なしに、いきなり「意見を持つ」という段階(ステップ(3))に飛ぶのはNGだ、ということです。十分に理解した上でこう言っているのならこれは立派な「意見」ですが、あまりよく分かっていないのにこう言ったとしたら、「印象」に過ぎません。

       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆