特集
» 2007年12月25日 09時15分 公開

【最終回】新しいツールとメディアと文化Web2.0時代に挑む広告代理店(2/2 ページ)

[Michael Ybarra,ITmedia]
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広告キャンペーンの効果測定にITを活用

 アーノルドにとって、効率の向上は重要な目標となっている。ITを活用して同社の広告キャンペーンの効果測定を行っているアナリティクス部のスタッフの数は、2年前には2人だけだったが、現在は12人。

 「ある企業のトップによる古い名言として、『広告の半分は効果がある。ただ、それがどの半分かは分からない』というものがある。だが、そのような考えはもう通用しない。アナリティクス部では、マーケティング活動とその結果のつながりを明らかにすることを目指している。われわれが取り組んでいるのは、アーノルドのサービスのマーケティング効果を測定することだ」と、統合アナリティクスディレクター、ブライアン・カステレイン氏は話す。

 例えば、ロイヤルカリビアンの広告キャンペーンは「クルーズツアーは退職者のためのもの」というイメージをぬぐい去ることを目的としていた。2000年にスポットCMの放映を開始して以来、ロイヤルカリビアンのブランド認知度は33%向上し、オンライン予約も3倍以上増加している。

 「YouTube」や「MySpace」といったSNSの普及とともに、広告プラットフォームは爆発的に拡大している。近年では、新しい広告を打ったわけでもないのに、アーノルドの禁煙キャンペーンのウェブサイト「thetruth.com」へのアクセスが急激に増加したことがある。これはその後、古い広告がさまざまな人気ブログでリンクが張られ、そこからアクセスした人が増えたことが原因と判明した。

 「新しいメディアチャネルの台頭に伴い、われわれの解析ツールは進化を迫られている」とカステレイン氏。「1年半前には、ブログやSNSを測定対象にすることなど話し合う必要はなかった。だがいつの間にか、こうした新しいメディアチャネルがクライアントの市場戦略の一部となっている」と語る。

クリエイティブとプロセスは相反するものか?

 目まぐるしい変化が進む広告業界では、ビジネス課題に対応するのに、自由なクリエイティブの才能と厳密な技術プロセスという、対極にあるものがともに必要とされる場合が多い。

 アーノルドには、アーティストタイプの人材を引き付け、彼らが創造性を存分に発揮できるようにしてきた伝統がある。例えば、CEOは最近、社員に対し、本の執筆や映画制作などによって自己表現することを奨励した。ショア氏は3週間の休暇を使って、自分のバンド「Muck and the Mires」で欧州ツアーに挑戦している。

 その一方で、フォルサム氏は定型的なプロセスに沿った仕事のやり方をクリエイティブ担当者にも要求する、新世代のビジネスツールの導入を進めている。

 フォルサム氏は「アーノルドは、革新と成熟の両立を続けていける」と確信しているようだ。

 「仕事のやり方を変えるのは面倒だというのは、誰もが思うこと。それでも、新しいシステムを使って仕事をしてもらえば、そのメリットは理解してもらえる。そこで重要なのは、システムについて学習するという負担をできるだけ小さくすること。そして、迅速な対応を徹底し、彼らに何か不都合が生じたら、すぐに解決することだ」(フォルサム氏)

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