世界の携帯電話がつながる理由は福島県にありものづくりニッポンの最前線(3/3 ページ)

» 2008年01月21日 07時15分 公開
[國谷武史,ITmedia]
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NECのものづくり

 NECの矢野薫社長は、昨年12月に開催した「C&Cユーザーフォーラム&iEXPO 2007」の基調講演で、「現場が日々の改善を心掛け、その効果が営業や開発部門へと広がっている。次の30年を形作るようなイノベーションを現場レベルの改善から取り組む」と語った。

 ものづくり革新企画部長の澤村治道氏は、NECグループ全体での物流と生産の革新が、同社のものづくり強化のポイントになると説明する。物流面では、特に世界6000社から行っている資材調達でかんばん方式を導入し、ジャストインタイムの調達を推進する。国内でも1200社と提携しているが、全国規模とエリア単位できめの細かい物流体制を構築しているという。

澤村氏

 生産ラインの改革では、ラインクリエーターに代表されるスーパー技能者の人材育成を推進する。さらには、各グループ拠点の技能者の交流も活発に行うことで、コミュニケーションを図りながら生産現場の改善ノウハウをグループ全体で共有化するようしている。

 「毎月1〜2回程度各拠点の担当者が集まって、2泊3日のミーティングを全国各地でしている。拠点ごとに作る製品は異なるものの、生産プロセス自体に大きな違いはなく、持ち寄られたノウハウの大部分をグループ全体で共有できている」(澤村氏)

Pasolinkの今後

 2007年度のPasolinkの出荷台数見込みは約30万台。2008年度も同程度以上の出荷を見込んでいる。インドや東欧、ロシア、アフリカなどでは第2世代(2G)方式のサービスエリア拡大が続いており、北米や西欧では第3世代(3G)方式への移行も少しずつ進んでいる。

遠藤氏

 遠藤信博執行役員(モバイルネットワーク事業本部長)は、Pasolink事業の見通しについて、2Gのエリア拡大、2Gから3Gへのアップグレード、WiMAXや3.9Gの高速・大容量通信化により、今後も売り上げ拡大を図っていくとしている。

 「ワイヤレス事業は半世紀以上の歴史があり、衛星システムを含めて実績を積み重ねてきた。今後も品質、顧客満足度、SCMの向上に取り組み、Pasolinkではシェア30%を維持する」(遠藤氏)

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