コンサルタントなんて、依頼しないで済むなら依頼しないほうが良い。例え小規模企業といえども、コンサルタントに頼らず、経営幹部がしっかり勉強をして自ら対応することはできる。そうして生き抜いている小規模企業を、筆者はいくらでも知っている。しかし、企業を取り巻く環境がこれほど厳しく、変化が激しくなれば、コンサルタントに頼らざるを得ない場合も大いに出てこよう。そこで、「羹に懲りて膾を吹く」ことによりIT不信にならないように、コンサルタントへの対応の仕方が大切になる。
まず、先にも触れたようにコンサルタントを疑ってかかることである。彼らは、何か魂胆を持っているか、無能者かのいずれかだと決めてかかることである。そうすると、心して対応せざるを得なくなる。コンサルタントが悪質だったということは、コンサルタントの責任ではなく、クライアントの責任と考えるべきだ。コンサルタントは、その選び方、使い方で、良くも悪くもなるからだ。クライアントの姿勢いかんで、コンサルタントの態度は決まる。
当たり前のことだが、まず企業改革の目的を明確にすることだ。そしてどの分野のコンサルタントに依頼するか決めなければならない。その場合、IT導入を決めてかからないことだ。この点は重要で、ITなしで目的とする業務改革を達成する場合もあり得るからだ。
次に、コンサルタントの選び方だが、複数のコンサルタントにRFP(提案要請書)を出して、提案書を提出させ、プレゼンテーションで比較するのだ。トップ自ら納得するまで徹底して質問、確認、比較するべきである。結論がでなければ、あるいは納得できなければ、何度でも何度でも納得するまで実施しなければならない。
コンサルティングが始まったら、コンサルタントは依頼企業の内部に精通しているわけがないから、どうしても一般論になりがちだ。それは、仕方がない。コンサルタントはあくまでもアドバイザーと認識し、自分たちの責任でまとめなければならない。以上の一連の作業は、コンサルタントをシビアに疑っているからこそできることである。
要するに、コンサルタントを依頼する時は自ら武装してかからなければならない。そうは言っても、小・零細企業では武装は無理だというかも知れない。しかし零細企業といえど、少なくともコンサルタントを疑ってかかること、そして自社の課題・目的・コンサルタントへの依頼事項を明確にするくらいの軽武装はできるだろう。こう考えると、コンサルタントへのトラウマ何のその、コンサルタントを恐れたり毛嫌いしたりする必要はない。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授