――企業でも変革の重要性は理解していますが、実践するのは難しいと感じる企業は多いと思います。どうすれば変革を促進できるでしょうか。
ウージャック 変革の障壁になるのは、技術やお金ではなく、コミュニケーションやチームワークなど人間の内面的な部分だと考えています。数多くの企業を見て学んだことは、変革は企業の文化、社風に根ざすものだということです。
例えば、自動車大手の米Ford Motorのデザインスタジオには「Culture eats strategy for breakfast(文化が戦略を食う)」と書かれた大きな看板があります。これが意味するのは、製品計画や戦略がどうであれ、大切なのは社員が何を信じ、どのような価値観を持っているかということです。変革を実現するためには、誰もが同じ文化を共有することが重要です。
ただし変革を促進するには、社員だけでなく企業側のコミットメントも必要です。新たな取り組みができるよう自由な環境を提供し、斬新なアイデアに対しては報酬を与えるべきです。
――こうした活動を推進するためには、社員のモチベーションを上げて組織を活性化していくことが求められます。社内外に限らずマネジメントに携わる機会が多いと思いますが、心掛けていることはありますか。
ウージャック モチベーションを上げるには、お金やボーナス、名誉といった外的な要因と、満足感や達成感など内的な要因の2つがあります。偉大なリーダーと呼ばれる人たちは、いかに社員のモチベーションを高めていくかを知っています。特に重要なのは内的な部分です。それを刺激する最も効果的な方法は、権限を委譲することです。権限を渡すことで、彼らは一番重要だと思うことを実現しようと努力するからです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上
早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授