企業変革には文化の共有と適切な報酬が不可欠――AutodeskのフェローExecutiveインタビュー(2/2 ページ)

» 2008年06月26日 12時28分 公開
[伏見学,ITmedia]
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――企業でも変革の重要性は理解していますが、実践するのは難しいと感じる企業は多いと思います。どうすれば変革を促進できるでしょうか。

ウージャック 変革の障壁になるのは、技術やお金ではなく、コミュニケーションやチームワークなど人間の内面的な部分だと考えています。数多くの企業を見て学んだことは、変革は企業の文化、社風に根ざすものだということです。

 例えば、自動車大手の米Ford Motorのデザインスタジオには「Culture eats strategy for breakfast(文化が戦略を食う)」と書かれた大きな看板があります。これが意味するのは、製品計画や戦略がどうであれ、大切なのは社員が何を信じ、どのような価値観を持っているかということです。変革を実現するためには、誰もが同じ文化を共有することが重要です。

 ただし変革を促進するには、社員だけでなく企業側のコミットメントも必要です。新たな取り組みができるよう自由な環境を提供し、斬新なアイデアに対しては報酬を与えるべきです。

――こうした活動を推進するためには、社員のモチベーションを上げて組織を活性化していくことが求められます。社内外に限らずマネジメントに携わる機会が多いと思いますが、心掛けていることはありますか。

ウージャック モチベーションを上げるには、お金やボーナス、名誉といった外的な要因と、満足感や達成感など内的な要因の2つがあります。偉大なリーダーと呼ばれる人たちは、いかに社員のモチベーションを高めていくかを知っています。特に重要なのは内的な部分です。それを刺激する最も効果的な方法は、権限を委譲することです。権限を渡すことで、彼らは一番重要だと思うことを実現しようと努力するからです。

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