IBMが2年ごとに実施する調査「Global CEO Study 2008」によると、ほぼすべてのCEOが抜本的な変革を必要としていることが明らかになった。グローバル戦略についても特徴が見られた。
IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS)は6月19日、IBMが主要企業のCEOなどに対して実施した調査「IBM Global CEO Study 2008」(2年ごとに実施)の分析結果を発表した。(関連記事:CEOの8割が「ビジネス変化を好機」だと感じる IBM調査)
同調査は、全世界の主要企業のCEOと公共機関のトップ、計1130名を対象に行ったインタビューに基づくもの。日本は121社が参加した。
調査によると、今後抜本的なイノベーション(変革)が必要と考えるCEOの割合はグローバルで83%(前回比18%増)、日本では96%(同13%増)となり、共に前回の数字を上回った。一方で変革の達成度は、グローバルで61%、日本で62%と、変革の必要性は認識していても実現には課題があることがうかがえる。事業に最も影響を与える外部要因については、前回、前々回と同様に「市場の急激な変化」が挙がった。ただしその割合は、前々回の84%に対して48%とほぼ半減した。それに対して「技術革新」が増加傾向にある。
常務取締役 戦略コンサルティンググループ担当の金巻龍一氏は、「もはや企業にとって変革は当たり前で、いかに速く変革するかが問われるようになった。経営戦略の寿命は2.5年と言われており、事業を継続するためには日々改革を推し進めていかなければならない」と強調した。そうした背景から、CEOは新興国や新規顧客の出現による市場の変化を脅威でなくチャンスととらえるようになったという。
国際競争がますます激しくなる中、企業が変革していくためには事業のグローバル展開は必須といえる。IBMはグローバル化には、本社にすべての機能が集約され海外子会社は事業の一部を担当する「国際企業」、海外子会社に自律性を持たせる「多国籍企業」、それぞれの地域の拠点に独自の機能を持たせて経営資源を最適化する「グローバルインテグレーテッド・エンタープライズ」の3種類があると定義する。その中で「未来を見据えた企業はグローバルインテグレーションを志向」(金巻氏)しており、CEOの85%が効果創出を狙って社外組織との協業を検討しているという。
一方で、グローバルインテグレーションの障害について、グローバルで57%、日本で76%のCEOが人材およびマネジメント能力の不足を挙げる。
こうした現状を受けて金巻氏は、全世界でのソーシング戦略の重要性を説く。
「アウトソーシングは世界中から優秀な人材や能力を自社に調達(インソーシング)する手段であり、得意な人が得意な分野に従事すべきという考え方が必要だ。例えばIBMがインドに開発拠点を設けているのは、インドの人々がプログラミング技術に長けているからである」と、適材適所の発想を企業は持つべきとの見解を示した。
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明治学院大学 経済学部准教授