IT企業が新入社員に求めるのは「自ら考え、切り開く力」2009年度トップ訓示(1/3 ページ)

2008年から続く不況の中、企業は新入社員にどういった役割を期待しているのか。社長の訓示を集めた。

» 2009年04月01日 17時07分 公開
[國谷武史, 藤村能光,ITmedia]

 2009年度が始まった4月1日、新入社員は社会人生活をスタートさせた。2008年から続く不況の中、企業は新入社員にどういった役割を期待しているのか。IT企業を中心に社長の訓示を集めた。

NEC 矢野薫社長

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 企業が利益を上げることは重要だが、「顧客や社会の役に立つことが第一」「それに対する感謝の気持ちがわれわれの利益になる」という順番が原点だ。世界同時不況を突破するには原点を再確認する必要がある。NECは10年先を見据えて「イノベーションへの情熱」「自助」「共創」「ベタープロダクツ・ベターサービス」という価値を明確にした。実現のために一体となって行動し、困難に立ち向かおう。

 NECの一員として期待するのは3点。1つ目は「イノベーションへの情熱を燃やしてほしい」ということ。各自の違いを認め、意見をぶつけ合い、イノベーションを生み出してほしい。2つ目は「和魂洋才」。グローバルマインドを持って世界に学び、「和の魂」を忘れず生かしてほしい。3つ目は「自助の精神」。困難な時こそ、自らの頭で考えて、自ら動く。一歩を踏み出す勇気を持ってほしい。

日本IBM 橋本孝之社長

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 今、世界は金融危機に端を発した経済危機や環境問題といった課題に直面している。こうした困難な状況は変革のチャンスだ。IBMは創業から顧客のニーズに合わせて業容を変革してきた。10、20、30年後のIBMをどんな会社にするか。デザイン、そして実践するのは皆さんだ

 顧客の経営環境の変化はスピードを増している。顧客に要望に応えるには、日本IBMグループとグローバルなIBMのコラボレーションで、新たな価値を創造することが重要だ。変化に果敢に挑戦し、多用な人やチームとのコラボレーションを通じて、自信の自己実現も図ってほしい。自ら考えることなくして成長はない。皆さん一人ひとりが持っている能力が、コラボレーションによって何倍もの力となる

NTTデータ 山下徹社長

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 NTTデータグループでは、「変える力を、ともに生み出す」というメッセージを掲げている。

 変える力の部分には、社会や企業の変革を構想から実現までサポートすることを目指し、顧客企業の変革パートナーになるという思いを込めている。景気の悪化に伴い、企業は変化に対応し、チャンスに変えようとしている。NTTデータには、顧客の変革をサポートする力が必要だ。変える力の源は社員一人ひとり。つまり皆さんが競争力そのものだ。自身の強い意志と情熱を持って、変える力のプロフェッショナルとして成長してほしい。

 「ともに生み出す」の部分では、顧客企業、グループ企業、社会とともに新たな価値を提供するという決意だ。世界21カ国60都市に拠点を持つなど、グローバル化の推進もその1つ。世界中の英知を結集しグローバルな視点で最適解を提供し、国内外を問わずサポートできる能力こそ、変革パートナーに必須となる条件だ。活躍の舞台は日本にとどまらず、世界へと大きく広がっている。

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