東京ガスと熊谷市、建物間で太陽熱エネルギーを融通する省CO2推進モデル事業を実施

東京ガスと熊谷市は11月5日、建物間で熱エネルギーを融通する省CO2推進モデル事業を実施すると発表した。年間約11トンのCO2排出削減効果を目指す。

» 2009年11月09日 17時00分 公開
[栗田昌宜,環境メディア]

 東京ガスと熊谷市は11月5日、建物間で熱エネルギーを融通する省CO2推進モデル事業を実施すると発表した。所有者の異なる民間の建物間で太陽熱エネルギーを融通する試みは、日本で初めてとなる。

 同事業の正式名称は「再生可能エネルギーを利用した建物間融通型エネルギーの面的利用による省CO2推進モデル事業」。国土交通省が公募していた「住宅・建築物省CO2推進モデル事業」に両者が共同提案していたプロジェクトで、東京ガス熊谷支社の屋上に設置された太陽熱集熱器から得られる太陽熱の余剰分を、公道を挟んで隣接するホテル「マロウドイン熊谷」に熱融通するというものだ。

 東京ガスは熊谷支社とマロウドイン熊谷の間に熱融通導管を新たに敷設し、熱媒体となる温水を循環させるポンプの電力をまかなうために最大出力5キロワットの太陽光発電パネルと、太陽熱・太陽光発電の出力変動を補完するために定格出力25キロワット、発電効率33.5%、廃熱回収率51.0%のガスエンジンコージェネレーションシステムを導入する。熊谷市は同プロジェクトの計画指導や、熱融通導管の道路占用許可などの行政的支援を行う。

 同プロジェクトによるCO2排出削減効果は年間約11トン。2009年11月に着工、年度内に竣工予定で、稼働後は2011年度末までデータ収集と技術検証を行う。

「再生可能エネルギーを利用した建物間融通型エネルギーの面的利用による省CO2推進モデル事業」のシステムフロー図太陽熱エネルギーの融通を受けるマロウドイン熊谷(左)と供給する東京ガス熊谷支社(右の3階建て建物) 「再生可能エネルギーを利用した建物間融通型エネルギーの面的利用による省CO2推進モデル事業」のシステムフロー図(左)、太陽熱エネルギーの融通を受けるマロウドイン熊谷と供給する東京ガス熊谷支社(右の3階建て建物)

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