「ほかしのおーじさま」――むかしあって、これからもおこるおはなしビジネス著者が語る、リーダーの仕事術(1/3 ページ)

お金もうけの話につられて、だまされてしまう人が減らないのはなぜだろうか? 子どものころに読んだ物語を思い出してほしい。おいしい話には裏があることを……。

» 2010年02月04日 08時00分 公開
[マネー・ヘッタ・チャン(作家),ITmedia]

 この記事は「経営者JP」の企画協力を受けております。


 日経平均が12000円から18000円まで上昇し、久々の好景気に誰もが一攫千金を狙い、起業ブームに沸いたとある時分、フエーテルという起業家がおりました。フエーテルはお金が大好きでいつもお金を稼ぐことばかりを考えている若者でした。

 フエーテルは脱サラ起業して事業を大きくし、自分の資産を増やそうとしていたのですが、なかなか事業がうまく回りません。そんなとき、フルレ・バレッジという伯父様が、どんな事業でも大もうけしていると聞き、会いに行くことにしました。

何でもかんでも投資しなさい

 経営コンサルタントでカリスマのバレッジさんは、その事業手法にあやかろうと多くの人がアドバイスを聞きたがっている有名人でしたが、何の予約もなく突然訪れたフエーテルにも、きさくに会って、いろいろと教えてくれました。


「フエーテルくん、事業で成功したかったら、全力で投資するんですよ」

「銀行と良い関係を作って、資本金の何十倍もお金を借りて、気に入った事業に投資しまくれば、誰だって僕のようにお金持ちになれるよ」

「まだまだ上がる事業は不動産関連、つまり家やビルに関連する会社とその周辺事業、家具だったり、家電だったりだね。今ならダヴァイ*1なんかで事業をするのがオススメだね。あの国は今も、そしてこれからもすごいいきおいで成長するのは間違いないからね」


 初めて会った自分に対してこんな親切に教えてくれるバレッジさんに感激したフエーテルは、あっという間にバレッジさんのファンになってしまいました。そしてバレッジさんが発行する月50万円の投資レポートとアドバイス権を購入することに決めました。月50万円は大金でしたが、これから稼ぐ金額に比べれば大したことない、そう言い聞かせて、フエーテルはバレッジさんとアドバイス契約をしました。

 契約を結んだフエーテルの元には毎月、バレッジさんの世界動向分析レポートが届きます。そこには以前バレッジさんが勧めてくれた事業に関する情報がたくさん載っていました。レポートにはいい話がたくさん載っていて、読めば読むほど勧められた事業はこれから有望な気がしてきます。


*1 ロシア語で「行け!」の意味を持ちます。イケイケドンドンの結果はみなさんも知る通りです。決して砂上の楼閣って意味だったよねとか口走ってはいけません。

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