さて、この段階での課題――それは、目黒区の半径1?圏内で立ち上がったこの事業を、市場ニーズの全国的急拡大に対応して、どのように発展させるかということだった。
「全国区にするために先代が考えたのは、工場をどうするか、ということです。従来通りに(ガラス)瓶を回収するタイプのままだと目黒を出られないことは明白でしたから。そのため回収不要のワンウェイ瓶にしようとして、そのための方策を暗中模索していました」
そんな時、思ってもみなかった出来事が起きる。「ある大手メーカーの飲料水の製造を下請けしている国内有数の会社が、ハイサワーを生産させてほしいと営業をかけてきました。冬でも売れるハイサワーを製造することで、千葉県茂原市の同社工場を冬季もフル稼働させたいという理由からでした」
その会社とは、ジャパンフーズ株式会社。今では、厚生労働大臣により承認されたHACCP(総合衛生管理製造過程)の最新鋭の工場として、海外から視察団が来る工場になっているという。この会社に製造を委託することで、それまで“目黒ユースオンリー”だったハイサワーは、生産規模・流通ルートなどを含め、全国レベルへと拡大することが可能になった。以来、ハイサワーの製造の多くは、同社にアウトソーシングされ、ワンウェイのガラス瓶、ペットボトルと多様な容器で販売され、現在に至っている。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授