それらの企業の議論に共通するものとして、議論がプロフィットかコストかといった位置付け論の二者択一に終始していることがほとんど。別の見方をすれば、ケイパビリティ面(知識、スキル、経験など)での課題や改革について正面から向き合っていないとも言うことができるでしょう。
エンジニアのケイパビリティについての議論や精査を置き去りにされたままで、「子会社化だ、JV化だ、内製重視だ、外販重視だ」といった画餅のグループ経営議論等に終始しても、結局は実現・実行の現実性が全く担保されていないことに気がつき、議論がどうどうめぐりになってしまいがちです。
最近持ち込まれるコンサルティング案件でも、情報システム子会社はテーマになりつつも目先の戦略や組織論ではなく、中長期で見た人づくりの在り方の中で、情報システム子会社の位置付け・役割を描くといったスタイルが中心になりつつあります。
情報システムのパラダイムの変化、そして新規IT投資が減速している今こそ、情報システム子会社の貢献のしかた、そして一朝一夕では実現できない人づくりを腰を据えて始める好機とも言えます。
次回は、多くの「しがらみ」を踏まえたうえで、グループ全体でのIT人材育成の観点から、現実的な情報システム子会社の在り方を考えてみたいと思います。
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京都大学大学院法学研究科修士課程修了後、米国系総合コンサルティング・ファームを経て現職。自動車、運輸、公共団体、電機、電子部品など幅広いクライアントにおいて、事業戦略から販売マーケティング戦略、オペレーション戦略、IT戦略など一気通貫での企業変革に向けた戦略策定・実行支援の経験を有する。特に 近年は新興国市場への展開、事業再構築などを手掛ける。地に足が着いた泥臭いコンサルティングが信条
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授