カルチュア・コンビニエンス・クラブは、2009年4月に実施したグループ会社の再編・統合に伴い、組織とワークスタイルを大きく変革している。そのために、新たな企画の創造を支援すべくコミュニケーションの基盤を刷新した。
会員数が3400万人超と国内最大級の共通ポイントサービス「Tポイント」の運営のほか、「TSUTAYA」のフランチャイズ本部としての展開や、TSUTAYA DISCASをはじめとしたインターネットサービスなどエンターテインメントビジネスを手掛けるカルチュア・コンビニエンス・クラブは、2009年4月におこなったグループ会社の再編・統合に伴い、組織とワークスタイルを大きく変革している。そのために、新たな企画の創造を支援すべくコミュニケーションの基盤を刷新した。
大阪・枚方で「蔦屋書店」として産声を上げたカルチュア・コンビニエンス・クラブは、現在TSUTAYAを全国に約1400店舗展開するほか、TSUTAYA onlineやTSUTAYA DISCASなどインターネット事業に加え、さまざまな提携先で利用でき、現在では会員数が3462万人に及ぶ、共通ポイントサービス「Tポイント」事業などを柱に幅広く事業を展開する。
同社の成長の原動力について、アイティメディアが3月4日に開催した企業経営層向けのセミナー「第10回 ITmedia エグゼクティブフォーラム」で登壇した、同社バイスプレジデントでIT本部IT技術 ユニットリーダーの米川誠也氏は「新たな企画を生み、世の中に広げようという、当社が創業から掲げる「企画会社」という考え方にある」と語る。
同社は、グループ会社10数社の統合・再編に伴い、ユニファイドコミュニケーション(UC)を活用した新たなコミュニケーション基盤を整備した。その背景には、企業の成長に伴い組織が肥大化した結果、次の行動を迅速に起こしにくくなっていたという課題があった。
「事業を成長させるための新しい企画を行うためには、あらゆる社員が一体となり働くことが不可欠。そこで、原点に立ち返るためにも組織を再編するとともに、全社員がスムーズに情報共有できる仕組みが必要と考えUCの導入に踏み切った」(米川氏)
組織再編によりCCCは2009年、グループ会社を1社に再編・統合し、ポイントカードやインターネット事業を一体運営できる態勢を整えた。米川氏によると、同社が目指したのが、「10人の組織の仕事の進め方を3000人にも上る全社員で行う」(米川氏)というもの。一般に効率を追及すれば、組織を細分化しがちだが、同社ではあえてスピード感のある遠心力型の組織体制をとった。
そこで同社では、「いつでも、どこでも、誰でも、どのようにでも」(米川氏)働ける環境を整えるために、UCの製品選定にも着手した。その際の課題として挙げられた項目は、オフィス設計をはじめ、ネットワーク設計からアクティブディレクトリ連携、グループウェアの見直し、PC環境、経費管理の統合、人事規定にまで及んだという。
製品選定にあたって、同社では社員のワークスタイルを(1)オフィス以外で働くことの多い「ランナー」、(2)オフィス内にはいるものの会議などで席を外していることの多い「ウォーカー」、(3)常に在席し電話の取次ぎを行うことが多い「シッター」の3つに分類。それらの社員が互いの状況を把握でき、連絡手段を使い分けられるかどうかが製品選定のポイントになったという。そのために必要とされた機能は、在席情報を確認するためのプレゼンス機能やインスタントメッセージング機能、IP電話機能、電話/Web会議機能、メール機能、スマートフォンとの連携などで、最終的に同社が白羽の矢を立てたのがシスコのUC製品群だった。米川氏はシスコ製品を選定した理由について次のように述べる。
「さまざまな機能が標準で利用できたことがその1つ。また、大規模環境での豊富な実績により高い信頼性も確認できた。加えて、強固なセキュリティ機能を備えており、各種のツールによって資産管理業務の簡素化も図れる点も高く評価した」(米川氏)
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授