IT業界に構造変化 大手ベンダーの戦略転換と大量雇用減の可能性戦略コンサルタントの視点(2/3 ページ)

» 2010年05月11日 15時46分 公開
[大久保 達真(ローランド・ベルガー),ITmedia]

加速せざるを得ないオフショア戦略

 現在、日本の大手ベンダーによる中国・インドなどのオフショア拠点を、海外の大手ベンダーと比べてみると大きく見劣りがします。(図2)

図2(クリックで拡大)

 オフショアの活用スタイルについても同様です。海外の大手ベンダーは、標準化されたプロセスに基づく設計、開発、運用、さらにはBPO(Business Process Outsourcing:ITだけではなく業務も含めたアウトソーシングのこと)を含めたローバルサービスの提供拠点としてオフショア拠点を活用しています。

 現在、日本の大手ベンダーはソフトウェアの受託開発や一部のシステムソフトの開発にとどまっているのが実態ですが、規模の拡充とあわせて活用スタイルについてもキャッチアップの必要性が認識されてくるでしょう。

 規模の拡充についてはオフショアの従業員比率を20%程度まで高めていくことを目標に置くことになるのではないかと考えられます。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia エグゼクティブのご案内

「ITmedia エグゼクティブは、上場企業および上場相当企業の課長職以上を対象とした無料の会員制サービスを中心に、経営者やリーダー層向けにさまざまな情報を発信しています。
入会いただくとメールマガジンの購読、経営に役立つ旬なテーマで開催しているセミナー、勉強会にも参加いただけます。
ぜひこの機会にお申し込みください。
入会希望の方は必要事項を記入の上申請ください。審査の上登録させていただきます。
【入会条件】上場企業および上場相当企業の課長職以上

アドバイザリーボード

根来龍之

早稲田大学商学学術院教授

根来龍之

小尾敏夫

早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授

小尾敏夫

郡山史郎

株式会社CEAFOM 代表取締役社長

郡山史郎

西野弘

株式会社プロシード 代表取締役

西野弘

森田正隆

明治学院大学 経済学部准教授

森田正隆