コンピュータ関連市場は提供者側の一方的な情報とマニアックなユーザーの情報があふれかえっており、経営者の多くがどこから何を勉強すればいいのか、さっぱり分からないのが現状なのです。
コンピュータの急速な発展により、巷にはえたいの知れない横文字が横行しています。最近では、iPhoneやAndroidといったスマートフォンのニュースも目立ちます。米国でのiPadの販売開始で大騒ぎしているニュースもご覧になっているでしょう。しかし、スマートフォンって何だ? という基本部分から既についていけない経営サイドの方が実は多いのです。ITって何でしょう? いまさら聞けませんよね。
この原因を勉強不足という一言で片付けるのは、あまりに酷な話です。実際にコンピュータ関連市場は提供者側の一方的な情報とマニアックなユーザーの情報があふれかえっており、勉強しようと思っても、どこから何をどうやって勉強すればいいのか、さっぱり分からないのが現状なのです。
しかし、そう言ってもいられない時代になってきました。特にリーマンショック以来の厳しい経営環境の中、経営はさらなるスピードと革新を求められており、コンピュータを駆使しないと実現しないようなスピードや革新を無視できなくなってきました。経営的な視点でもコンピュータ関連の最新技術の動向を無視することが大変難しい、いや不可能な状況になっているのです。
このように、スピードと革新を実行するためにコンピュータの知識が経営に重要な役割を担っているにもかかわらず、コンピュータに関して経営的な視点で語る情報は意外と少ないのが現実です。このコラムの目的は、そんな経営層の方々が経営的視点でコンピュータを理解していだくことにあります。もうコンピュータが分からないではすまされないのです。
とにかく耳にするIT。まずは、ITという言葉がいつごろ登場したのかについてお話しましょう。日本でIT(アイティー)という言葉が一般に登場したのは意外に新しく、2000年9月の衆参両本会議で行われたe-Japan構想に関する所信表明演説で、森首相がIT(アイティー)革命を間違ってIT(イット)革命と述べてしまったことによって話題となり、一般化しました。マスコミは失言として大騒ぎしましたが、ITに関して当時はマイナーな言葉だったので仕方ないかなと個人的には思っています。
ITという摩訶不思議な言葉をきっかけに、このころからさらにITについていけない中高年や、「コンピュータはオタクの領域」と決めつける経営系の人材を中心に、情報格差(デジタルデバイド)の問題が顕著になってきたとわたしは考えています。今、読んで戴いている方の中で、自分も思い当たるなあという方、たくさんいらっしゃるはずです。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
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明治学院大学 経済学部准教授