成績が上がらない部下を抱えた場合、当たり前だが、まずはその原因を知る必要がある。およそ次の3つが考えられる。
最初の「モチベーションは高いがスキルが低い人」には、仕事のやり方を教えることである。どんな手順を踏んで営業をしたらいいのか、そのやり方を具体的に指南する。
2番目の「スキルは高いが、モチベーションが低い人」には、その人を観察して、やる気を起こさせたり、モチベートするように仕向けてみる。「1人1人を大事にしている」と伝え、強みを見つけ、価値観を共有して仕事を任せ、少しでもうまくいった場合には「よくやった」と承認してあげることである。
問題なのが、3番目の「モチベーションもスキルも低い」人である。彼らには、具体的に細かく指示・命令をすることである。「今月は何をする?」「今週は何をする?」「今日は何をする?」とできるだけ具体的に、即行動に移せるように指示を出す。仕事の目的や方法を明確に指示し、終わった後はしっかりとフォローアップをする。
指示・命令を部下にするのは良くないという人もいるかもしれないが、人によっては具体的な指示・命令をすることは決して悪いことではないとわたしは考えている。モチベーションもスキルも低い部下には、それが有効なのである。きめ細かく支援して、ちょっとした成功も褒めてあげることである。
なお、残念ながら、教育をしても変わらない人も多い。持って生まれた資質というものが影響したりする。学習意欲、積極性、コミュニケーション、達成意欲などは個人によって差があり、後から身につけようと思っても身につかないものであるから、可能ならば、これらの資質を持っている人を採用したほうがいいだろう。
性格が良く、人のフィードバックを素直に受け取る人は伸びる可能性を秘めている。逆に性格に難がある人の場合には、上司が見えないところでトラブルを起こす危険性があり、気を付けなればならない。
最後に、わたしが見てきたできる営業担当者の特徴、そして、わたしが実践してきた効果的な営業方法をご紹介したい。
できる営業担当者の特徴
効果的な営業
これらも参考にして、部下のやる気を引き出し、できる営業担当者を育てるリーダーになってほしいと願っている。
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細川馨(ほそかわ かおる)
ビジネスコーチ株式会社代表取締役
外資系生命保険入社。支社長、支社開発室長などを経て、2003年にプロコーチとして独立。2005年に当社を設立し、代表取締役に就任。コーチングを勤務先の保険会社に導入し、独自の営業システムを構築、業績を著しく伸ばす。業績を必ず伸ばす「コンサルティングコーチング」を独自のスタイルとし、現在大企業管理職への研修、企業のコーポレートコーチとして活躍。日経ビジネスアソシエ、日経ベンチャー、東商新聞連載。世界ビジネスコーチ協会資格検定委員会委員、CFP認定者、早稲田大学ビジネス情報アカデミー講師。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
株式会社プロシード 代表取締役
明治学院大学 経済学部准教授