日本駐車場開発の川村副社長は、学生時代から海外で働きたいと思い、コロンビア、中国に駐在した。日本の精密な技術、質の高いサービスは他には無いと感じていた。今年、この日本の強みを生かしグローバル展開に乗り出す。
ITmediaエグゼクティブの会員に対するインタビュー企画「エグゼクティブ会員の横顔」。第11回は、駐車場に関する総合コンサルティング事業を展開している日本駐車場開発の取締役副社長 川村憲司氏にお話を伺った。
――現在の業務内容を教えてください。
川村 日本駐車場開発は主に都心部のビルに付随する駐車場をオーナーから借り受け、ハード、ソフト両面で改善を加え、便利で安全な駐車場を利用者に提供しています。日本ではままだ少ないですが、エントランスでお客様の車を預かるバレーサービスやカーシェアリングも行っています。
わたしは新たな事業として2008年から調査を開始した、海外事業に取り組んでいます。世界中のマーケットで可能性がありそうなところを実際に見てきました。アジアに限って考えていたわけではないのですが、人も車も増え続けていて、インフラが追いついていない地域でそこそこのサービスの価値が分かってもらえるので、やはり最初はアジアかなと調査して感じました。
9月30日にタイに現地法人を設立し、タイからスタートすることにしました。皆さん中国に目が向いているようですが、マーケットが大きいので後で参入しても十分勝機があると思っています。タイ、特にバンコクは東京と同じくらいビルがあり、各ビルに設置が義務付けられている駐車場の数は日本の3倍です。昔はビルの地下など日本でもありましたが、いまだに駐車場のイメージは暗い、汚い、臭いです。地元の人からは駐車場が明るく、きれいになるのならぜひ参入してほしいといわれています。
ご存知の方も多いでしょうが、バンコクは渋滞が多く、それを駐車場の観点から見ると、出口と入り口の位置が渋滞を増長させるような造りになっているところが多いです。夕方の駐車場前は進まない、出られない、入れないで10分の距離が2時間も掛かっています。出入りだけでもスムーズにできるような仕組みになれば渋滞も減るし、ストレスも減るはずです。
日本の技術、おもてなしの心を駐車場運営にも生かし、地元の人に快適なカーライフを提供していきます。
――これまでの仕事の歩みについて教えてください。
川村 1989年に海外での仕事を希望していたので、鉄鋼商社の阪和興業に入社しました。東京で海外貿易に携り、1992年から4年間南米のコロンビアに駐在しました。日本から鉄鋼、特殊鋼を輸入していました。例えばジュースを作るミキサーの軸など、わざわざ日本から輸入する必要があるのかと思うのですが、カッターを回転させるためには、ミリ単位の誤差も許されないほどの精度が必要でした。これは世界中で日本しか作れず、技術力のすごさを実感しました。
コロンビアは麻薬カルテル戦争中で頻繁に無差別テロがあり、わたしも爆弾の音を何度か聞きました。死ぬかもしれないという危機感は常に持っていました。この環境で危機管理能力が高まり、壁を伝うなど後ろに人が来ない場所を歩くとか、かばんは絶対手放さないなど、自分の身は自分で守るしかない状況でした。ビジネスでも思い通りにならないことは多く、リスクを管理しながら商売をして利益を出す。慎重にビジネスを進めるすべを身に付けました。
日本に戻り、中国のニンポウ(寧波) に工場を作るプロジェクトに携り、その後、上海の復旦大学に1年間留学しました。おかげで、スペイン語と中国語を習得できました。どちらも人口が多いのでこれからのビジネスに役立つのではと思っています。
1999年に仲が良かった大学の後輩から声が掛かり、まだ10数人の会社でしたが、他にないビジネスモデルだったことと、のびしろのあるベンチャーの可能性に引かれ日本駐車場開発に入社しました。
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早稲田大学商学学術院教授
早稲田大学大学院国際情報通信研究科教授
株式会社CEAFOM 代表取締役社長
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明治学院大学 経済学部准教授